みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

小説・ミステリ

ギリシャ棺の謎

エラリイ・クイーンの国名シリーズ第4作『ギリシャ棺の謎』。 おそらくシリーズ中最大のボリュームをほこる作品であり、正月くらいから、途中まで読み進めては最初から読み直し、三度目の正直でようやく完走しました。 ギリシャ棺の謎【新訳版】 (創元推理…

オランダ靴の謎(再読)

エラリイ・クイーンの国名シリーズ3作目『オランダ靴の謎』。 ちょうど10年くらい前に読みました。再読。 20世紀ニューヨークの病院を舞台にした事件です。 オランダ靴の謎【新訳版】 (創元推理文庫) 作者:エラリー・クイーン 東京創元社 Amazon 記憶力がイ…

弥勒の掌

我孫子武丸先生の『弥勒の掌』。 もともとは、2000年前後、文藝春秋社「本格ミステリ・マスターズ」という、当時のミステリ作家さん達がそれぞれの作品を持ち寄ったシリーズの一つで、ちょっとカッコイイ装丁のシリーズでした。 歌野正午『葉桜の季節に君を…

法月綸太郎の事件簿 都市伝説パズル

法月綸太郎『法月綸太郎の功績』などに収録の短編4作品がコミカライズされた書籍です。 表題作「都市伝説パズル」は短いですが、わかりやすくて面白いですね。 ちょっと思った(小説でも読んだけど漫画になると改めて気付いた)けど、「世界の神秘を知る男…

蒼海館の殺人

続けて読んでみました、阿津川辰海『蒼海館の殺人』。 前作のネタバレはないですが、前作を読んでないと名探偵がなぜ「こう」なっているのかがよくわからないと思いますので、前作『紅蓮館の殺人』読んでからのほうが良いですね。 蒼海館の殺人 〈館四重奏〉…

紅蓮館の殺人

だいぶ積んでましたが、読んでみました。 阿津川辰海『紅蓮館の殺人』。 ジュヴナイル要素の強めな本格推理です。 紅蓮館の殺人 〈館四重奏〉 (講談社タイガ) 作者:阿津川辰海 講談社 Amazon 感想としては、面白かった。久々に深夜まで夜更しして最後まで読…

魅せられた美女

江戸川乱歩『十字路』のテレビドラマ版。天知茂主演の1980年作品。 映画(三國連太郎主演)もありますが、映画ではなくテレビのサスペンスドラマです。 Amazonプライムで見られます。昭和の雰囲気が色濃い。 江戸川乱歩シリーズ 魅せられた美女 天知茂 Amazo…

国盗り物語 第一巻

司馬遼太郎のデビュー作『国盗り物語』。 全4巻の第一巻を読んでみました。 齋藤道三が主人公で、下剋上が描かれています。 ただ、まあ、何か『関ケ原』『城塞』と比べると、まだ織田信長が登場する前の時代(資料が少ない)ということなのか、創作っぽい悪…

グリーン家殺人事件(新訳)

ヴァン・ダインの古典『グリーン家殺人事件』の新訳版が出ていたので購入、早速読んでみました。 旧版よりも、だいぶ読みやすいですね。旧版は10年前くらいに読んでみていたのですが、その時よりも情景や人間関係がよく理解できました。 ファイロ・ヴァンス…

シャム双生児の秘密

エラリイ・クイーンの国名シリーズ、全9作品中の第7作『シャム双生児の秘密』です。 創元推理文庫の新訳版はまだ出版されていないみたいなので(期待はしていますが)、ハヤカワ・ミステリ版を電子書籍で読みました。 シャム双生児の秘密 作者:エラリイ ク…

京都「洛北屋敷」の殺人

出版社が違いますが、こちらが「風水探偵 桜子」シリーズの第1作。 この1作目が光文社で、2作目が角川書店というのが、何かあったんですかね。 なお、サスペンスドラマにしやすい(映像化しやすい)内容であるためか、かつては沢口靖子主演でドラマ化もさ…

風水探偵 桜子 風水京都・竹の殺人

平成時代のややマイナーな推理小説作家、姉小路祐先生の「風水探偵桜子」シリーズ第2作にして最終作です。 2002年作品。 庭師である桜子が文字通り「京都」「風水」の2大知識を駆使して名家を舞台に起きる殺人事件の謎を解いていきます。 風水探偵 桜子 風…

メルカトル悪人狩り

これもだいぶ積んでましたが読破しました、『メルカトル悪人狩り』。 名探偵ではない「銘探偵」メルカトル鮎が相変わらず倫理無視で傍若無人な活躍を繰り広げています。 メルカトル悪人狩り (講談社文庫) 作者:麻耶雄嵩 講談社 Amazon ネタバレ(?)になり…

スペイン岬の秘密

エラリイ・クイーンの国名シリーズ、全9作品中の最終作品です(『日本庭園の謎』は日本の出版社が国名シリーズっぽい名前を付けただけなので、正式にはスペインが最後です)。 前にも書いたようにシリーズは序盤から中盤のほうが面白いと相場が決まっている…

法廷遊戯

五十嵐律人『法廷遊戯』。 今度は映画化もされたんですかね。 本物の弁護士が書いたという推理小説ですが、読んだことはなかったのです。 今回初めて読んでみました。 法廷遊戯 (講談社文庫) 作者:五十嵐律人 講談社 Amazon けっこうシリアス系というか、そ…

隻眼の少女 (コミック)

これはまたすごい作品がコミカライズされましたね…。 表紙や、首切り○人事件というテーマは派手派手しいですが、中盤までの展開は意外と地味です。 雪の寒村が舞台なので、今の季節に合いそう。 隻眼の少女 上 (文春e-book) 作者:麻耶雄嵩,pikomaro 文藝春秋…

でぃすぺる

『屍人荘の殺人』の今村昌弘先生による2023年の新作『でぃすぺる』。 紹介文にあるように、本格ミステリとオカルトとジュヴナイルの合わせ技。 でぃすぺる (文春e-book) 作者:今村 昌弘 文藝春秋 Amazon 本格ミステリを期待すると…? という部分はありますが…

『反逆』 その2

半年前くらいに少し読んで積んでましたが、また読みはじめました、遠藤周作の歴史小説『反逆』。 戦国無双3Zの時代と同じなので、登場人物イメージも無双シリーズですが。 ついでに言えばドラゴンクエストⅢのメタル狩りのお供にちょうど良い。 荒木村重が…

鵺の碑 読了(イマイチ?)

(ファンの方にはすみません、批判的な記事です) 『鵺の碑』、読み切りました。 まあ、悪いとは言わないんですけど、長い。 長さも登場人物も3分の1くらいでちょうど良いくらいです。名物、小箱のようなサイズのノベルス本で展開する必要はなかったかなと…

黒死荘の殺人

カーター・ディクスン(ディクスン・カー)の古典的名作推理小説です。 完璧な密室殺人の謎。 古典的推理小説だと、大抵、先に現代の推理小説や推理漫画で似たトリックを見たことがあったりもするので新鮮味はなかったりするのですが、この作品のトリックは…

エジプト十字架の謎

週末はだいぶ長距離を移動したので暇つぶしに文庫版を読んでいました(皆さまお疲れさまでした、楽しかったです)。 電子書籍の時代ですが、スマホの電池消費を気にしなくてもいい文庫版もたまにはいいものです。 エラリイ・クイーンの国名シリーズ第5作『…

日本庭園の秘密

エラリイ・クイーンの国名シリーズ…かと思いきや、国名シリーズではない長編です。 英語版が The Door Between というタイトルのところ、和訳した際に『日本庭園の秘密』とか『ニッポン樫鳥の謎』と訳して国名シリーズっぽくしてあるわけですね。 出版社の意…

犬神家の一族(映画)

Youtube で市川崑監督の『犬神家の一族』(1976)が期間限定公開中です。 (あと一週間くらいか) www.youtube.com 素晴らしい。 犬神家の一族(1976) 石坂浩二 Amazon 逆さ足が全ての象徴みたいになってるのがちょっと面白いですね。

アメリカ銃の秘密

エラリイ・クイーンの国名シリーズ第6作、『アメリカ銃の秘密』。 シリーズものと言うのは、終わりに来るにつれてダレてくることが多く、2,3作目あたりにピークが来ることが多い、というのが私の持論ですが、じゃあ後半のほうも読んでみるかということで…

ローマ帽子の秘密

これに関してはハヤカワ・ミステリ版を読みました(電子書籍で読めるのは大きい)、エラリイ・クイーンの『ローマ帽子の秘密』。1929年作品。 国名シリーズ第1作です。『ローマ帽子の謎』という和訳になっていることもあります。 ローマ帽子の秘密 作者:エ…

ミス・マープル最初の事件 牧師館の殺人

英国の長閑な村で起こった殺人事件の謎をミス・マープルが解き明かす。 ミス・マープルはエルキュール・ポアロと並ぶクリスティ小説の名探偵。見た目は普通のおばあさんですが洞察力や推理力が超一級です。 個人的には、この創元推理文庫版がおススメです。 …

妖魔の森の家

ディクスン・カーの短編集『妖魔の森の家』も読みました。 これはまだ新訳版がないので、ちょっと時代がかった和訳にはなっていますが問題なく読めました。 妖魔の森の家 (創元推理文庫―カー短編全集 2 (118‐2)) 作者:ジョン・ディクスン・カー 東京創元社 A…

皇帝のかぎ煙草入れ

ディクスン・カーの長編『皇帝のかぎ煙草入れ』を創元推理文庫で読みました。 海外ミステリーのオールタイムベストにも度々ランクインする古典的名作だそうです。 未読だったので読んでみました。…ドラクエⅡを片手で遊びながら。 皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版…

白い僧院の殺人

推理小説の古典の一つ。読んだことはなかったのですが。 法月綸太郎『雪密室』で勝手にネタバレされているので、『雪密室』を読むならこちらを先に読んだほうが良いですね。 創元推理文庫版の、旧版本を古本で購入。 昭和時代の日本語訳なのでちょっと時代が…

碑文谷事件(小説)

昭和推理小説の巨匠、鮎川哲也先生の短編「碑文谷事件」。 墨田区の実在の地名でひもんや、と読むようです。 下記の『下り”はつかり”-鮎川哲也短編傑作選Ⅱ』に収録されています(この創元推理文庫版は電子書籍はありません)。 下り“はつかり"―鮎川哲也短編…