みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

小説・ミステリ

碑文谷事件(小説)

昭和推理小説の巨匠、鮎川哲也先生の短編「碑文谷事件」。 墨田区の実在の地名でひもんや、と読むようです。 下記の『下り”はつかり”-鮎川哲也短編傑作選Ⅱ』に収録されています(この創元推理文庫版は電子書籍はありません)。 下り“はつかり"―鮎川哲也短編…

『鵺の碑』 まだ途中(ネタバレなし)

京極夏彦『鵺の碑』、まだ読み終わりません。 電子書籍なので70%とか出るんですけど、もう後半に差し掛かってるのに、ぜんぜん話にスピード感が出てこない気がするのと、とにかく登場人物が(過去作からの登場含めて)多すぎるので誰と誰が一緒に行動してる…

『鵺の碑』 読み始めました(ネタバレなし)

まだ読み始めたばかりなのでネタバレはないです、京極夏彦先生の百鬼夜行シリーズ最新作、『鵺の碑』(2023年9月14日発売)。 京極堂が主役の『邪魅の雫』を長編8作目とすると9作目なんですかね。 相変わらず直方体の箱みたいな見た目で平積みされている図…

学園街の〈幽霊〉殺人事件

1998年の推理小説、司凍季『学園街の〈幽霊〉殺人事件』講談社ノベルスです。 これ大学時代だか社会人になってからか忘れたんですけど帰省した時に近所の古本屋にあって買おうかどうしようか迷って、結局荷物になるから買わなくて、覚えてました。 電子書籍…

黒牢城

ブログ仲間の方がだいぶ前にお薦めされていたこともあり、今さらながら読んでみました。 2021年の国内4大ミステリランキング全てで1位をとり、直木賞までも獲得した名作、米澤穂信『黒牢城』。 織田信長に謀反した荒木村重が、籠城する城の中で起きた不可…

悪魔の手毬歌(1977年・映画)

市川崑監督・石坂浩二主演の1977年映画『悪魔の手毬歌』(原作・横溝正史)。 もうパッケージ画像だけで怖い映画。 しかし怖がらせる場面以外もカメラワークや光の当て方が一つ一つ綺麗で怖い。 悪魔の手毬唄 [Blu-ray] 石坂浩二 Amazon さすがにキャスト全…

緑衣の牙

北海道の名門女子高を舞台にした事件の謎を追う物語。 武藤類子&牧場智久シリーズ第3作です(前2作は読んでないですが)。 オリジナル版はカッパ・ノベルスで、原題は『眠れる森の惨劇』です。改名したのは、江戸川乱歩の「緑衣の鬼」をイメージしてるん…

爆弾(呉勝浩)

『このミステリーがすごい!』と『ミステリが読みたい!』の2冠作品。 しばらく積んでましたが読破。 謎めいた被疑者、テロ事件。取調べを中心にした社会派心理サスペンス。 ネット社会、バッシングなど現代っぽいテーマも少し絡みます。 爆弾 作者:呉勝浩 …

RYDEEN(ライディーン)&記憶の果て

坂本龍一氏も参加していたYMOの1979年の超有名曲。 最初、何かの推理小説に出てきた曲名だけ知っていたのですが(浦賀和宏の『記憶の果て』だったか…)、Youtube時代になった後で検索して曲と曲名が一致したのでした。 YELLOW MAGIC ORCHESTRA ‐ 『RYDEEN』 …

火蛾

なんと電子書籍化されていました、メフィスト賞の歴代作品の中でも特に伝説的な作品とされる『火蛾』(古泉迦十)。 イスラム教を正面から題材にした、唯一無二の推理小説です。 20年ぶりくらいに読みましたが、今でも楽しめます。 火蛾 (講談社ノベルス) 作…

さよなら神様(LINEコミックス)

麻耶雄嵩先生の推理小説『さよなら神様』のコミックス版です。 普通の小学生の姿をした神様「鈴木くん」が無慈悲な真相を先に言い当ててしまう、クラスメイトである主人公たちは「鈴木くん」の謎めいた言動に振り回されながらも推理を重ね、結局いつも神様が…

名探偵のいけにえ

ブログ仲間の方がお薦めされていたので、電子書籍で購入してみました。 白井智之『名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件』(2022年)。 人民教会事件という昔の実在の事件(なんかうっすらとした知識だけはありましたが、検索して初めて知りました)をベースに…

オメガ城の惨劇

一年の計は元旦にあり、ということで、読書でもするかということで、森博嗣先生の最新作『オメガ城の惨劇』を一気読みしてみました。 表紙の副題に ”SAIKAWA Sohei's Last Case” とあるので、シリーズファンなら「ええっ?」となりますよね。30年続いてきた…

バイバイ、エンジェル

推理作家にして評論家、笠井潔先生のデビュー作にして、名探偵〈矢吹駆〉シリーズの第1作です。1979年の『バイバイ、エンジェル』という作品。 冬、年末年始のパリを舞台にした事件なので今のシーズンにはぴったりかもしれません。電子書籍で購入可能です。 …

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い

今思えば20年前のスタートですね、戯言シリーズ。 このアニメ見たかったなあ。 OVA「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」第3弾トレーラー (公式動画) www.youtube.com アニメで見ると画家の人の表情と声が非常に良い。 第1作だけで終わってるのが…

ブラックサマーの殺人

M・W・クレイヴンの「刑事ポー」シリーズの第2作。 第1作を読み終えて間もないところですが一気に読破してみました。 日本版のカバーデザインが前作に引き続きオシャレです。 なお、読む前に第1作『ストーンサークルの殺人』の読破は必須で、そうでないと人…

ストーンサークルの殺人

2018年に英国で発売され、2020年に邦訳が発売されたN・W・クレイヴン著『ストーンサークルの殺人』。 停職警部ポーのシリーズ第1作です。 スマホやPCが平気で登場する現代英国を舞台にしたミステリ&サスペンスですが、本作はカンブリア州という英国の中で…

ヨルガオ殺人事件

アンソニー・ホロヴィッツの『カササギ殺人事件』の続編、『ヨルガオ殺人事件』。 前作と同じく、作中作には名探偵アティカス・ピュントが登場します。 ヨルガオ殺人事件 上 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫) 作者:アンソニー・ホロヴィッツ 東…

化野学園の犯罪 教育実習生 西郷大介の事件日誌

姉小路祐先生は、今ではちょっとマイナーかもしれませんが(失礼)、90年代後半からゼロ年代前半の、新本格ミステリが花盛りの時代にはけっこう作品出してましたね。 化野学園の犯罪 教育実習生 西郷大介の事件日誌 (講談社文庫) 作者:姉小路祐 講談社 Amazo…

硝子の塔の殺人

医師にして作家、知念実希人先生の『硝子の塔の殺人』。 発売当時は大々的な宣伝で平積みもされてたんで購入はしてみたんですが、何かイマイチ入り込めなくてずっと積んでました。 エラリイ・クイーンだとか後期クイーン問題とか言って何となく察することの…

天帝のみはるかす桜火

古野まほろ氏の「天帝」シリーズの、第0章という感じの短編集です。 まほろと峰葉実香との出会い、峰葉実香と修野まりとの出会い等々、シリーズ第1作『天帝のはしたなき果実』の前の出来事が描かれます。 表紙絵の少年が古野まほろ、トランペットを持って…

Kの流儀 フルコンタクト・ゲーム

1999年の、第10回メフィスト賞(講談社の推理小説新人賞)受賞作。 しかし、どう見ても、読み終わっても推理小説ではないです。 見た目は普通、しかし最強の極真空手の使い手である高校生が、暴力が日常化した神戸の高校を舞台に悪党どもを成敗していく話で…

首無の如き祟るもの

刀城言耶シリーズ第3作、『首無の如き祟るもの』 シリーズ最高傑作と評されている作品です。10年ぶりくらいに再読してみました。 首無の如き祟るもの 刀城言耶シリーズ (講談社文庫) 作者:三津田信三 講談社 Amazon 改めて読んでみて、多数の謎をほぼ後付け…

忌名の如き贄るもの

夏なのでホラー(しつこい)。 というわけで、ずっと積んであった電子書籍版をようやく通読しました、三津田信三『忌名の如き贄るもの』。 民俗学研究者・刀城言耶シリーズの2021年の作品(今のところ最新作)です。 忌名の如き贄るもの 作者:三津田信三 講…

タイムスリップ森鴎外(再)

アニメ「パリピ孔明」は第1話だけ配信を見たかな。 普通に現代人たちと交流する物語なんですね。もっと司馬懿とかも現代に来る話なら面白そうかなと思いましたが(そういう展開もあるのかもしれませんが未読)。 それでこの本を思い出しました。 タイムスリ…

殉教カテリナ車輪

飛鳥部勝則先生のデビュー作にして第9回鮎川哲也賞受賞作品『殉教カテリナ車輪』。前の記事に書いた市立図書館で読みました。 鮎川哲也賞は、講談社のメフィスト賞に対抗して東京創元社がスタートさせた推理小説新人賞ですね。 全部読んだわけではないです…

13の理由

今さらながら読みました、ジェイ・アッシャーの『13の理由』、和訳版。 原作は2007年の小説です。数年前にNetflixでドラマ・映画化されてますね。 自〇した女子、ハンナ・ベイカーが遺したカセットテープが、その自〇に関係ある同級生たちの間を順番に出回っ…

体育館の殺人(再読)

青崎有吾先生の2012年のデビュー作『体育館の殺人』。 大体の真相は憶えていますが、再読始めました。 最近はこの風ヶ丘高校シリーズの刊行は止まってて、コラボ企画とかばっかりなのでちょっと寂しいですね。 体育館の殺人 (創元推理文庫) 作者:青崎 有吾 …

月は幽咽のデバイス

森博嗣のⅤシリーズ第三作『月は幽咽のデバイス』。 前にも何度か同じこと書いてますけど私はⅤシリーズはそんな好きじゃないのですが、その先のシリーズを読む前提として一応読破しておこうという趣旨で、世間がコロナ禍になってからですが断続的に再読してま…

夏と冬の奏鳴曲 新装改訂版

まさかの新装改訂版が昨年売り出されていたので驚きました。 夏と冬の奏鳴曲 新装改訂版 (講談社文庫) 作者:麻耶雄嵩 講談社 Amazon ある意味では伝説的作品ですが、90年代だから許される何かだったのであって、今だとバカミスの上に後味悪いってことになり…