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みちのく砂丘Ⅱ

仕事とあまり関係ないことについて書きます。

模倣犯

 

模倣犯1 (新潮文庫)

模倣犯1 (新潮文庫)

 

 『模倣犯宮部みゆき

 

1990年代から2000年代に移るあたりの小説ですね。

超有名作品ですが今までずっと積んでたので読んでみました。

 

感想としては、とても面白かったです。いろいろ考えさせられたし、感動もした。社会派ミステリーとして最高峰ですよね。現代型の凶悪犯罪の一つのかたちであり、後に似たような事件があったことを考えると一種の予言書めいた小説でもある。

 

ただ、『模倣犯』のストーリーが魅力的過ぎたせいか、特に犯人役のキャラ造形などが後の(ゼロ年代以降の)小説や漫画に影響を及ぼしていたようで、今読むと逆に「どっかで見たことある」犯人像になってしまってる気もしますね。こっちがオリジナルなのに。

 

あと、この小説の真価というか面白さは、携帯電話がまだ白黒表示で、メールもできなくて(ポケベル)、インターネットがまだ高級品(?)で、結局生活の中心はテレビや雑誌、っていうあの90年代の空気を直に体験してないと今一つ掴めないかもしれないですね。

今だとパソコンやスマホで、ツィッター、ブログ、動画サイトなどいろいろな表現手段がある時代だから、この模倣犯のストーリーの下地となっている時代背景が合わなくなっているかもしれない。

だからテレビ世代の読者のほうが楽しめると思う。

また、書き方もテレビ的ですよね。一人一人の脇役にも細かい設定があり、登場の度にかたられるのですが、ちょうどドキュメンタリー番組のナレーションのようなかたち。テレビ的な感性というのかな。そういうのを最大限に発揮しながら書かれている気がします。

ともあれ、時代を象徴する傑作だと思うので、未読の方は是非。

ただ、けっこう重い展開ですけどね。

 

 

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