「誰でもいいから人を殺してみたかった」
これが全然わからないんですよね。
でも、たぶん『絶歌』の影響、ちょっとはあるんじゃないかと思います。
経緯はどうあれ殺人犯が殺人について書いた本を、大ヒットと言われるほど世間が買ってしまったわけですから。
それは大人ならともかく、未熟な少年が見た時には「あ、そういうふうにやれば注目してもらえるんだ」「構ってもらえるんだ」と思っちゃうと思うんですよね。
中身を読んでるか読んでないかは関係ないのですよ。
殺人犯の本が大量に売れた、その事実が元の殺人行為そのものに対してある種の承認を示してしまってることになるんじゃないかと思います。
個人的には『絶歌』の出版には絶対反対でしたけどね。
法律では禁じられていないでしょうけど、禁じられていないかどうかとそれをしていいかどうかは別問題ですから。法律で禁じられていないからと言ってお葬式で鼻歌歌ってガム噛んだりはしないですよね。
『絶歌』を買った人は、今回の北海道の19歳少年の事件についてもやっぱり何か本が出版されたら買うんですかね。
その買う行為自体が世の未熟な少年達に誤った考えを与えないとも限らない。
だから少年Aもけっきょく何も反省できてないですよね。
少年法の年齢引き下げの話は、それやっていいかどうかは別として、そういう話が燃え上ってくること自体は、これは今の状況だともう避けられないでしょうね。