みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

新釈 現代文

 

新釈 現代文 (ちくま学芸文庫)

新釈 現代文 (ちくま学芸文庫)

 

 

「伝説の参考書 復活!」という触れ込みだったので読んでみました、『新釈 現代文』。文庫版として再版されたんですね。

 

昭和の現代文参考書としてはベストセラーだったそうです。

読んでみると現代の現代文参考書(ややこしい)とは全然違いますね。戦後、新しい日本を創っていくんだという意欲と能力を学生に与えようという、その意気込みが随所に感じられる内容です。読み物として面白いですね。戦後の学生さんはこういう参考書で勉強していたんだなあ、と。

あと解説が何か偉そうなのが笑ってしまう。「あとは言わなくてもわかりますね」「答えはおのずから明らかでしょう」って答え書いてないところが多い。喩え話に当然のようにモーパッサンの小説を持ってくるところとかも何か今なら高踏で感じ悪いってなるところでしょうね。大学が受験戦争だった時代から今はむしろ大学が来てくださいの時代だから、変わったんだなあと。

 

練習問題もありますがけっこう難しいです。157ページから始まる問題26番、徳島大学の過去問が難しすぎて、これも思わず笑ってしまうレベル。この問題を素で解ける人がいたら、すごいと思う。

この本を本屋で見かけた方は挑戦してみてください。