- 作者: ゲーテ,Johann Wolfgang Von Goete,竹山道雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1978/12
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (60件) を見る
文学史でこれと『車輪の下』の区別がよく分からずいつも苦戦してました、『若きウェルテルの悩み』。ドイツの疾風怒濤の文豪ゲーテの作品ですね。
疾風怒濤の名にふさわしく、ひたすらヒロイン(既にウェルテルの友人と許嫁)の結婚に対する、ウェルテルの嫉妬と苦悩が描かれてます。
文体に勢いがあるので割とすらっと読めるかも。
まあ基本ウェルテルはヒロインに十分好かれうるイケメン設定なんでしょうから、それ前提であれば、優柔不断なヒロインを挟んで、苦悩する激情の詩人と、苦悩しない世俗の凡夫との好対照が良く描かれていると思います。
ヒロインの心の中がほとんど描かれないのでヒロインが結局ウェルテルをどう思ってたかが分からないのがポイントですね。安易な視点切り替えをしないことでウェルテルの思い込みの激しさが伝わってきます。
構造的には夏目漱石の『それから』に似てるかな。