今まだ読書中です、中井英夫『虚無への供物』。
たしかどこかの会社が歴代国内推理小説ランキングやったときに、横溝正史『獄門島』に続いて2位だったような。
これは旧版。
今は上下巻の新装版が販売されてますね。
大学時代に一度旧版読もうとして挫折したんだよなあ…。いきなり昭和のゲイバー(作中での表記は「バー」ではなく「バア」)が出てくる耽美的な世界観と難解な用語についていけなくてですね。
でも最近古本屋で旧版を見かけてもう一度買ってきました。
文字は小さいけど、旧版の文字フォントのほうが昭和感あって(旧版は1974年発売なので当たり前ですが)良いです。
元々の作品は1964年のものだそうです。
冒頭から
「いかにも、ひと昔前のレビュー小屋で栄えたような、おきゃんな鼻声が高っ調子に」
「まだあまり街で見かけないディキシランド・スタイルの黒靴をつっかけているが」
こんな感じで昭和全開で来るので、今読むには正直、脚注がないときついかもしれない(新装版にはあるのかな?)。
あと、当時は推理小説なんてホームズやポワロが好きな外国推理小説マニアの楽しみだったということなのか、外国推理の古典の知識がないときついかもしれない。
自分もそんなにはないですが(「アクロイド殺人事件」、「僧正殺人事件」、「モルグ街の殺人」はわかったけど)。
まあでも、大学時代と違い、難解で古臭い言葉や、昭和のノリへの耐性もついたので、何とか読んでます。
1個目のトリックは何となくわかった気がする。合ってるかどうかはわからないけど。