みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

回想のブライズヘッド その3

ようやく上巻読み終わりました。

 

前回記事

回想のブライズヘッド その2 - みちのく砂丘Ⅱ

 

回想のブライズヘッド〈上〉 (岩波文庫)

回想のブライズヘッド〈上〉 (岩波文庫)

 

 

上巻では戦前期のオクスフォード大学を舞台に、貴族の息子セバスチアンと、主人公ライダーの親交が描かれるわけですが、その遊びぶりは自由奔放で、ライダーが「アルカディア」と表現するまさにそのような暮らしです。

 

上巻の終盤で起きる事件がそのアルカディアを崩していくきっかけになります。セバスチアンとライダーはあるトラブルに巻き込まれて、教師や弁護士に助けられてしまうわけです(警察からの身柄解放のために教師や弁護士が活躍した)。

つまり、それまでは馬鹿にして遠ざけていた大人社会の「権威」に、逆に助けられてしまうわけですね。

もともと貴族の出ではないライダーにとっては何ということもないことなのですが、これが子ども心を前面に押し出して天衣無縫に生きてきたセバスチアンにとっては決定的な出来事になる。世間に反発するかのようにアルコールにおぼれ、下巻での放浪と破滅のきっかけになっていきます。

 

滅びゆく英国貴族文化を描いた小説ですが、下巻ももう一度読みます。

 

 

全然話違うけど、ネットでブック〇フの宣伝で、本をパラパラと速読してる人いますよね。

もっと味わって読めばいいのに、勿体ない気がするんだけど。

あれじゃ行間は読めてないだろうなと思いますね。