みちのく砂丘Ⅱ

仕事とあまり関係ないことについて書きます。

聖アウスラ修道院の惨劇

ノベルス版の表紙はもうちょっとカッコいいです。

90年代の本格推理小説「聖アウスラ修道院の惨劇」。

昭和40年代後半、野尻湖畔にある修道院で起きる連続殺人事件の謎を、名探偵、二階堂蘭子が追います。

 

聖アウスラ修道院の惨劇 (講談社文庫)

聖アウスラ修道院の惨劇 (講談社文庫)

 

 

まあ、二階堂黎人という作家に独特の、コテコテな道具立て。

でもトリックは案外せせこましいんですよね。驚天動地っぽい道具立てで、驚天動地の展開はない。それがいつも残念なんですけど。

この作品はあからさまに、ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』を意識してますね。舞台からし修道院ですし。閉ざされた文書庫や暗号解読も然り。

 

あと、二階堂蘭子のキャラが今だとちょっと痛々しいかなあ。おしとやかではない、「昭和の」キャリアウーマン的な感じですね。

 

途中、メルカトル図法を人名と勘違いするシーンで「日本にメルカトルなんて人名があるわけないじゃない」ってセリフがあるのですが、露骨にメルカトル鮎麻耶雄嵩の作品に登場する、善悪を超越した「銘」探偵)を意識してるセリフで面白かったですね。