この超長大な作品を全て1冊のコミックにした作品もありますが、これは第1章だけを漫画にしたフランスのコミック版です。
和訳されて日本でも2016年に発売されました。
フランスコミック版の工夫として、へんにわかりやすくセリフを変えるのではなく、文章はプルーストの文章をそのまま残してあります。
なので、挿絵が沢山ついた小説、くらいな感覚です。
正直、あらすじだけ読んでも全然面白くない作品です(幾多の多種多様な恋や人間模様が描かれるが大抵スッキリしない結末)。この果てしない作品世界を体験できてなんぼ、なところがあるので、こういうのはありがたいです。
続編希望ですね。
唯一の不満はオデットが全然魅力的に見えないことで、物語の設定上は少なくともそれなりにかわいらしく見えないといけないポジションのはずですが、えらく角ばった、男性的な顔に見えてしまいます。
フランス人の感性なんだろうか…。それとも、そんなオデットに惚れこんでしまったスワンの滑稽さを表すためにあえてそうしてあるのか。
とりあえず104ページにフレスコ画でオデットに似ているらしいチッポラが示されているので、そちらに脳内変換しつつ楽しむのがいいかなと。