これは大学時代に仙台のジュンク堂(当時はE‐Beansの6階~7階にありましたね)でノベルス版を見かけて読もうかなと思ったけど手が出ないままで本屋から消えていた貫井徳郎の推理小説『妖奇切断譜』。
古本屋で文庫版を見かけたので買ってみました。
明治維新の時代を舞台にしたシリーズで、第2作だそうです。第3作以降は出てないようですけど…。
帝都を騒がすバラバラ殺人の謎を元華族の主人公にしてワトソン役、九条が追いかけるという物語です。
ちょくちょく犯人側や被害者側に視点が映るところ、文章のティストとしては京極夏彦の『魍魎の匣』や『絡新婦の理』にかなり似てるかな。
ところどころ無駄にグロいです。
あと、謎解きは…「そんなんわかるか!」と言いたくなるようなオチでした。ちょっと伏線あったかもしれないけど。
京極夏彦っぽくしようとして失敗した感はある。このノリ嫌いではないですけど。
でも第3作以降が出てないってことは京極夏彦の下位互換とか言われて批判でもされたんだろうかとか勘繰ってしまうところもあり。
ただ、貫井徳郎氏は今は現代を舞台にした警察ミステリで名が売れているので単純にもう明治維新シリーズは書くモチベーションがないだけかもしれませんけどね。