有栖川有栖先生の国名シリーズ第10作にして最新作『カナダ時計の謎』、だいぶ前に買ってたんですが、ようやく読了しました。
まあ無難に面白いのが多かったかな。
一番不満だったのは最後の「トロッコの行方」で今一つ散漫な印象。
ネタバレ防止に相変わらずのキーボード暗号ですが(内容が本筋に関係あるかは別)
にもちしらのに きいほもなみちすち となもちくらしいちとらこいすなみらしい
んらなきにとくちみら ちすにこちにのなつなとくにきち
んらてちにかららもらな
さすがに有栖川有栖先生と言えども年齢が60オーバーになると、普段そういうのに触れなくなると思うから仕方ないのかも。
あと「船長が死んだ夜」はマップや見取り図がないのでイマイチ理解しづらかった。
推理要素はほとんどないけど面白かったのは「あるトリックの蹉跌」かな。
火村英生シリーズ・エピソードゼロ的な位置づけです。
再読も含めて国名シリーズ制覇しましたが、やっぱり、ガチガチの推理として一番完成度高かったのは『スイス時計の謎』の表題作「スイス時計の謎」ですね。長編ではなく中編なのですが、中だるみがなく無駄がない、論理の推理です。
哀愁を織り交ぜた雰囲気も良い。