みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

夏夢夜話

今回紹介するのはこのマイナーゲーム『夏夢夜話』。オリジナル版は2003年です。

見ての通り萌え系で、ただでさえ人を選ぶのですが、さらにオープニングが(一部で伝説化するほど)酷い。歌が…。だみ声のカラオケでも聴いているかのような。

 

夏夢夜話<2800コレクション>

夏夢夜話<2800コレクション>

 

 

次に、絵が良くない。人物も背景も全体的に雑。しょっちゅう作画崩壊してるし、背景は使いまわしが多い上に塗りが粗い。

 

そして、最後にいっそう人を選ぶのが物語の設定。触れ込みに「プレイヤーは主人公青海怜二となり二人の幼なじみとともに幻想の物語を体験します」とある通り、冒険するのはメルヘンな童話の世界。

ここら辺で、よほどの猛者でない限り「ぐはっ」となってしまい、遊べないと思います。

 

ただ、ストーリーだけに限れば名作です。長いけど、本当に面白い。

ほのぼの展開と見せて予想外にシリアスなシーンの繰り返しで、けっこう緊張感あります。一見好意的な笑顔の裏にゾッとする悪意や狂気が隠されているような、そんな展開が多い。

物理的に残酷なシーンはないですが、心理的な意味で残酷な話が多いですね。

 

ボリュームもあって、クリアまでの平均的な時間は40時間くらいだそうです。自分はスキップ(読み飛ばし)を多用して10時間くらいで終わらせましたが。ちなみに上の触れ込みにある「二人の幼なじみとともに」は少し違い、基本的に主人公が童話世界に「消えた」幼なじみを追いかける物語です。その中で様々な人と出会う。

 

とにかく、ストーリーとせりふ回しだけなら、この手のゲームの他に推理小説やら文学を読んでちょっと目の肥えてる人でも十分楽しめると思います。

人は選びすぎるくらい選びますが、大人の童話ですね。