みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

支那の古代法律

 

支那の古代法律

支那の古代法律

 

 

作者名は「くわばらじつぞう」と読むそうです。

支那の古代法律』。

AmazonKindle本で無料で購入できましたので、読んでみました。

他にもいろいろ、古い本が無料購入できるので戦前戦後の日本史にわかマニア(?)としては嬉しいところです。

 

元は京都帝国大学で行われた昭和4年の夏季講習の講演のようです。

 

昭和4年だけあって戦前日本の香り漂う文体(旧字体)ですが、けっこう読みやすいです。現代で言う実況中継シリーズのような。

今だと差別語とかが多すぎて再販はできないでしょうね。「支那」自体も戦前の蔑称だし。

 

「我々の仰ぐ陛下は、同時に大和民族と云ふ大きな家族の家長であらせられる。」

「君父一体、忠孝一本が我が国体でありますから、さう云ふ国柄であることを考へると、其基礎をなす家族主義というものは、是非とも維持して行かなければなりませぬ。」

これは結びの部分からの引用ですが。この辺がもう戦前ですね。こういう教育がされていた時代もあったんだなあと。

 

ただ、現代の感覚で読んでも面白いです。家族制度も含めいろいろなことが西洋化されましたし、その制度の下で世の中は動いてますけど、日本人の根底にあるのは今でも、案外こういう中国の(東洋的な)法思想かもしれないと思わされます。