みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

失われた時を求めて(全一冊)

 

失われた時を求めて 全一冊 (新潮モダン・クラシックス)

失われた時を求めて 全一冊 (新潮モダン・クラシックス)

 

 

20世紀を代表する小説の一つとされています、フランス人作家マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』。

文庫本に換算すると10冊以上くらいになる長大な小説。

読もうとしても挫折する人多いみたいですね。

自分も三分冊の抄訳版を読もうかと思ったのですがそれでも一冊目でしんどくなりました。

 

さて今年発売されたのは抄訳版どころではなくさらに大胆に短くして(完全にダイジェスト)、この長大な作品を一冊にまとめた版です。

やはり元々『失われた時を求めて』を読みこんだ人からするとヒドイ切り貼りに見えるようでAmazonレビューもやや低いですけどね。ただ初心者の立場で言えば、全体のあらすじを把握するには優れた編集だと思いました。

自分もようやくこの全一冊版で大体のあらすじを知りました。全一冊でも長いのでけっこう飛ばし読みでしたけどね。

描かれているのはとにかく複雑な愛のかたちですね。とくにヒロインであるアルベルチーヌとの会話にかなりの字数が割かれてます。展開そのものには大きな衝撃はないのですが、同じことを言葉を変えて繰り返し描写することで記憶の追体験をさせるような、独特の文章です。

 

次はずっと積んである三分冊版に挑戦してみるかな…。