古本屋で50円で売ってたので買ってみました、フロイトの『精神分析入門』。
概説書と言うよりは1916年から1917年にかけてのウィーン大学での講義録を文章に起こしたものだそうなので、ものすごく古い「実況中継」予備校講義みたいな感じですね。まあ読みやすい。
しかし夢分析のあたりからしてすごいですね。何でもかんでも(特に病理的な現象は)性的な象徴に結び付ける。当時の学会でも既に異端視されて迫害されたのはわかる気がします。かなり無理やりこじつけな記述もあるし。
ただまあ、中世的な(つまりキリスト教的な)価値観では単純に罪悪とみられていた性と心の問題をへんに禁忌にせず、むしろそれを手がかりにして人の心の有り様に踏み込んでいくという、その近代科学的思考が当時としては素晴らしく先進的・画期的だったんでしょうね。
既に元は取れている気もしますが、もうちょい読んでみるかな…。