あけましておめでとうございます。
年末はこれ読んでました。書店に「ミステリ4冠」という大々的な触れ込みで平積みされていた、アンソニー・ホロヴィッツの『カササギ殺人事件』。
上下巻です。
感想としては、4冠と言うだけはある。
ネタバレは絶対見ないほうが良いですね。ネットで検索もしないほうがいい。
本当のミステリ好きならこの記事の以下の文章も読まないで(露骨なネタバレはしませんが)、いきなり買うのが良いと思いますね(ステマ)。
上巻の導入部で明らかですが、1950年代、英国の田舎村で起こる殺人事件の謎を、残り寿命わずかな名探偵が追う…という推理小説が、作中作となっています。その小説を読んだ現代の人物を主人公にした一種のメタ・ミステリが下巻。
どちらかというと作中作のほうが好きです。正統派のミステリ。
真相の鍵となる一番の鍵の部分、たしかに「?」というのはあったのです。ほとんどの読者にちょっと「?」がよぎるはず。これがシンプルな短編だったなら、その伏線、そして真相に気づく人も多かったかもしれない。
でも、それ以上に大きな「??」や「???」レベルの伏線が大量にあるので、その「?」を絶対に見落としてしまうんですね。
だからラストで、「言われてみれば、たしかに何か不思議には思ったけどー」という感じがすると思います。
そこはメタでもなんでもなく本当に正統派。
見事ですね。