1冊100円で買ったのをしばらく積んでありましたが、寒い季節になったので読み始めました。
(本書249頁の引用)
「将軍、ここで後退を許したら、ポーランド国境まで退却することになる。貴下も私も、前大戦では、フランダース戦場で頑張った。あの時の気持ちをとりもどしてほしい」
「失礼ですが、総統閣下。閣下は(摂氏)零下二十五度の戦場で戦った経験はないと思います」
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第二次世界大戦ヒトラーの戦い 第六巻 モスクワ・冬 第二次世界大戦 ヒトラーの戦い
- 作者: 児島襄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/07/01
- メディア: Kindle版
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モスクワを一気に攻め落とすことができず、ソ連との持久戦が続くうちに戦力も士気も下がり始める…。
弱気・悲観的な意見は敗北主義として退けられ、表向き勇ましいイエスマンが跋扈し始める…。
策謀と奇襲で英仏相手に互角以上の戦いを繰り広げてきたヒトラーが、ついに(それまで共存するのか闘うのかを曖昧にしてきた)ソ連を相手に戦いを始めるものの、それが退潮の始まりとなる、そういう巻です。
上手く回っていたはずの歯車が回らなくなり修正不可能になる。
ヒトラーも自分の位置を見失い始める。
悲惨な東方戦線、ピークを過ぎて滅びに向かうナチスドイツ。
飛ばし読みでしたが面白い巻でした。