ずっと積んでいましたが、今までより長めなフライト時間の暇をつぶすために読んでみました、有栖川有栖『海のある奈良に死す』。
火村英生&有栖川有栖の長編小説です。
ガチガチの新本格が多い著者にしては珍しい、ご当地・旅情ミステリ的な雰囲気の作品です。
これはこれで悪くはない…ですが、個人的にはイマイチだったかな。
メイントリックは成程さすが、というものです。
ちょっと時代を感じさせるトリックで、今の若い人には理解不能かもしれないですが、30代以上なら大体理解できるはず。
が、それと、メインテーマであるはずの人魚伝説(表紙にもなってます)を始めとする伏線とがかみ合ってない気がします。
二つか三つの短編を無理やり組み合わせたような気もする。
とはいえ、有栖川有栖氏の作品の中では珍しい雰囲気の作品なので、ファンなら読んで損はないかも。