自宅で休みつつ、kindleでこれを読んでました。
西村京太郎『殺しの双曲線』。
トラベルミステリーで有名な西村京太郎先生ですが、これはトラベルはほぼ関係なく、西村ミステリには珍しい、「吹雪の山荘」ものです。
読み終えてみて、面白かった。
犯人の動機だけ「え、そんな動機かよ!」と思いましたし、そのせいで並行して描かれる二つのストーリーの繋がりが弱いように思いましたけど、そのほかは文句なし。
あと、けっこう怖いですね。アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』がモチーフになっているようですが、個人的には、一人一人減っていく怖さは、『かまいたちの夜』を思い出しました。
インターネット上でも同じ感想が多いですが、1971年の小説とは思えないくらいに心理描写も現代的でしっかりしてます。
若き西村京太郎先生の才能がほとばしっているというか、「トラベルミステリーだけの人じゃなかったんだな」(超失礼な感想ですが)と思いました。