夏なのでホラー(しつこい)。
というわけで、ずっと積んであった電子書籍版をようやく通読しました、三津田信三『忌名の如き贄るもの』。
民俗学研究者・刀城言耶シリーズの2021年の作品(今のところ最新作)です。
今回は、作者としてはお気に入りなようで登場頻度は多いけど読者的にはおそらく不評なレギュラーヒロイン、祖父江偲(そふえ・しの)があまり登場しません。
祖父江偲に関する愚痴を書いた前回記事
ネットの読者レビューなども「祖父江偲があまり出てこないのが良かった」という人がけっこうおられて、そこは皆同じ感想なんだなあと、ちょっとホッとしました。
初期作品ほどの本気度の高いホラー展開はないですが、ひんやり怖い緊張感は常にあって、良いアクセントになっています。推理も真相もなかなか面白かった。
ちなみに単行本には相変わらず地図はありません(なぜなのか…)。
読者には自分でマッピングする努力が求められます(今回の事件はマッピングしないと面白さが十分わからないかも)。
とりあえず趣味の領域ですが、ノートに(ネタバレ要素はなしで、序盤に登場する地名だけで)書いてみました。大雑把な地図なので正確性は必ずしも保証しません(字が下手なのがバレる…)。
何度も書いてますが、私は第一作の『厭魅の如き憑くもの』がホラーとしても推理としても一番好きなので、シリーズ未読の方は『厭魅』か、客観的には最高傑作と言われる第三作『首無の如き祟るもの』がお薦めです。