今じゃほとんど作品出してないですけど、エラリー・クイーン風のロジカルな推理が醍醐味の氷川透氏のデビュー作、第15回メフィスト賞受賞作の『真っ暗な夜明け』です。
2000年3月発売の作品。
しかし道具立ては館でも孤島でもなく、舞台となるのは地下鉄の駅。
推理もきわめて堅実、悪く言えば論理の積み上げで、かなり地味です。
大仰な道具立て、どんでん返しやあっと驚く叙述トリックも多かった当時の本格推理の中ではひときわ地味だった。
大学時代もちょっとジュンク堂で立ち読みした時あったのですが、表紙も冒頭の展開も全てが「地味だな…」ということで買わなかったのでした。
先日ブックオ〇で100円ちょっとで陳列されているのを見かけたので購入。約20年越しでようやく読みました。
だいぶ、地味なものに頭が慣れた今なら読める気がするということで。
面白かったです。決して派手ではないですがラストの論理の積み上げはドキドキする。
今回「地味」と言いまくりましたが、奇をてらわない正統派の推理ということで。