大正時代の女流作家(98歳の1996年逝去とのこと)、宇野千代の短編小説集です。
有名な作品は『色ざんげ』ですが、こちらを先に何となく読んでみました。
全体的に話が重々しく、読むのが結構厳しかったです。
特に、田舎の民度の低さを描いた「墓を発く」と、都会に住む女性の貧困生活を描いた「巷の雑音」がインパクトあったかな。
どちらもほぼ救いのない内容…悲劇というよりは、延々と停滞が続く感じですね。
古き良き時代、または大正浪漫なんてのは、裏側から…或いは下層から見ればこんなもん、という実態が良く見えるかもしれない。