長い連休中に、読まない本も売却等で大体処分しました。
中でも挫折してたのがこの『世界の名著 朱子/王陽明』。
古典の漢文も中国思想も結構好きなほうなんで、いけるか、と思いましたが全然ダメでしたね。
朱子学ってのは宋代に編み出された儒教の新解釈みたいなもので、大きな体系である点でそれまでの儒教とはまた違う「学問」なのです(これ中国思想専攻の人から見たら怒られるであろう略し方ですが)。
日本でも、江戸幕府の体制維持に大変都合の良い思想であったことから(つまり前例主義・官僚主義的)、積極的に奨励されたようです。
読んでみると、本論に入る前から謙譲と謙遜の嵐。終始へりくだっているし、どこまでも禁欲的なんですね。
これはたしかに体制維持には(お上にとっては)都合が良さそう。
現代日本で言う「社畜」精神に通じるところがあるかもしれない。
逆に言えば今の日本の最新の人生訓が書いてある本なんかでも、奉仕と禁欲を最高の美徳とするようなものは、実は、この1000年は前の朱子学の思想を言葉だけ変えてあるようなのも、多いのかもしれません。
その意味では読み物としては面白い部分もあったのかもしれないけど、読めない本をずっと持っていても仕方ないので挫折しました。
もし40年後、50年後とかに生きてたら再チャレンジしてみるかな…。