みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

「憲法の涙 リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください2」 

一回軽く読んで積んでましたが再読。

法哲学者である井上達夫先生が、主に憲法9条に関して憲法学者の欺瞞を指摘した本ですね。

 

 

発売当時(2016年)頃に読んだときは、「そうだそうだ」と同意できる部分もあったんですけど、今読むと、まあやっぱり、井上達夫先生は「哲学者」だなあと思うんですよね。悪い意味でも。

 

論理的には正論だけど、今の社会を観てると、結論だけ先走って、元々あったはずの純粋な思いは無視されるんですよね。逆に利用されるというか。

スポーツの政治利用と似たようなもので、個々のアスリートは純粋ですごいけど、人によってはがっつり政治利用されるというのと同じ。

哲学的な論理としてはなるほどたしかに有耶無耶にせず通ってるけど、これをそのままぶっ放した場合は、まあ100%、井上達夫先生の緻密な論理など無視した方向に行くよねとは思う。

憲法学者ってある程度、有耶無耶にしてる点はあるかもしれないけど(アンフェア?)、それはそれで、他の学問分野には真似できない業だと思うんですよね。法学部で実定法中心に学んだからどうしても実定法側に立ってしまいますが。