有栖川有栖の国名シリーズ第7弾、『スイス時計の謎』。
文庫本を中古で購入して再読してみました。
ノベルス版は2003年なので、ちょうど社会人になりかけくらいの時に読んだようなおぼろげな記憶が。
改めて読むと「女彫刻家の首」が一番スッキリ明快な推理ですね。
ちなみに、表題作「スイス時計の謎」は、正に論理で追い詰めるエラリイ・クイーン風とされる作風です。
推理も良いですが、ここに描かれてる人間群像劇は、20代の時は何とも思いませんでしたが30代後半に差し掛かった今読むとグッと来るものがあります。かつての友人(同窓生)たちとの、誰が一番世に出ているか的な対抗意識交じりの友情。
『月光ゲーム』や『マジックミラー』もそうですが、推理以外でも読ませる良作は、さすがの有栖川有栖作品です。