みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

『城塞』読了

司馬遼太郎『城塞』、読み終わりました。

『関ケ原』に続き、面白かった。

昭和のなつかしいシリーズ「学研まんが日本の歴史」の戦国時代編は司馬遼太郎小説をベースにしてたんですね。似たセリフや展開が、いくつかみられました。

 

 

淀君が一番悪い(おろかな)役回りをさせられていて、登場人物にだいぶ男尊女卑的な思想が見えるのが賛否ありそうですが、まあ、当時は実際そんな感じだったんだろうし、大河ドラマみたいに、当時ならありえない歴史改変するよりは良いと思います。

 

 

印象的だったのは、武士道が死を美徳とするかのように退廃したのは泰平の世になってからのことで、リアルな戦国の戦士は生き残ることを最優先していた、みたいなところですね。真田幸村を上げつつ、安直な特攻精神や軍国主義に走る愚をさらっと批判している気がしました。

 

また、淀君と秀頼の関係性は、昭和時代には既に出現していた、息子に過干渉な教育ママさんと、そのせいで頼りない息子の関係を暗に批判してる感じもしました。

 

次も何か読みたい。