前作(デビュー作)『十三回忌』がイマイチだった記憶なので(詳しく覚えてないけど)あまり期待せずに読んだ小島正樹の第2作『扼殺のロンド』。
今回もオカルト仕立ての密室が山盛りです。
感想としては…、まあ、やっぱり有栖川有栖作品など高水準のものをたくさん読んだ後だと人物造形にきついものがある。
特に容疑者リストの男性キャラが全体的に個性薄くて誰が誰かわからない。
さりげなく個性を描き分ける有栖川有栖、法月綸太郎、歌野晶午など名だたる作家はすごかったんだなあと思います。
トリックも、後の事件はまだ納得しうるとして、最初の事件のトリックは全然納得いかない。
…と書くと良くないことばかりのようですが、犯人当てはなかなか意外なオチでした。
これは当たった人あまりいないのではと思います。
伏線もきちんと張ってあった。
昭和風なコテコテのミステリすぎて読むのがしんどいけど、読む価値はある。
(追記)
カバーの紹介文を読むと第6回エキナカ書店大賞受賞作品だそうです。
全然知らない賞ですが(そんな賞あったんだ、と)、ミステリとしてはなかなか良かったという感想は的を外していなかったようです。
私が得意がる立場ではないですが何か嬉しいですね。