今さらですが電子書籍で一気読みしました、『課長 島耕作』。
1984年から1992年まで連載されたもので、「島耕作」シリーズの原点です。
今読むといろいろツッコミどころがありますし(2023年のコンプライアンスなら確実にアウトな言動がたくさん)、ジェンダー平等的には時代を感じるところもけっこうあります。
でも、今でいうLGBTの人物を決して色物キャラにしていなかったりするあたりは、40年前の漫画なのに先見の明があるなあと思う部分もあります。
まあそんな難しいことはさておき、漫画としては面白いです。
元々、俗っぽいサラリーマン漫画と思っていたので、ちょっと見下していたんですが、食わず嫌いでした。
ドキドキする展開とか、キャラの魅力の発揮の仕方とか、伊達にヒットシリーズやってないのが伝わってきます。
ただ、続編の『部長 島耕作』あたりからはイマイチかなあ…。
島耕作っていうのは、平凡と見せかけて、色恋はもちろんのこと、人の心をつかむことに(自覚なく)天賦の才能があるキャラで、それがいろいろなことに巻き込まれて最後には一役買うから面白いんですよね。
天然の、現代の忍者みたいなキャラだなと思います。
ただ、「忍者」である時にその色恋・人たらしスキルが最大限発揮されるわけで、「武将」のように表に立って公明正大な仕事をするときには合わないんですよね。『部長 島耕作』で経営論を打つ段階になると、ちょっと合わないなと思いました。
あとヒロインも、「課長」初期の現地妻とっかえひっかえ、みたいな定まっていない状態が(不謹慎ながら)一番面白くて、「課長」時代の途中から登場する、容姿・頭脳・経歴の全てに完璧すぎるチート級ヒロインが登場して準レギュラー化してしまうと何故かあんまり面白くなくなる(笑)。
しばらくは『課長 島耕作』を読み返して、頃合いをみて『部長 島耕作』を読み進めて行こうかなと思います。