みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

皇帝と拳銃と

文庫版が昨年末に出ました、倉知淳の『皇帝と拳銃と』。

表紙絵が適度に不穏かつ上品でカッコいい。

 

倒叙型と言われるミステリで、最初に(読者には)犯人はわかっていて、探偵がそれを解き明かす過程を描くタイプのミステリです。

短編4つ。

倉知淳の代表作である「猫丸先輩」シリーズではなく、「死神」みたいな、どんよりとした風貌ながら発言内容だけは飄々とした刑事が主人公です。

 

皇帝と拳銃と (創元推理文庫)

皇帝と拳銃と (創元推理文庫)

 

 

ネット書評は少々厳しめのもありますが、まあマイナー推理小説をたくさん読んできた身としては、さすが倉知淳作品だけあって、心情描写を含めてクオリティ高いなあと思うわけです。他に傑作があるから、ハードル高いんですかね。

1作目と4作目はたしかにちょっと無理がある気がする。

2作目『皇帝と拳銃と』は知恵比べが面白いし、3作目『恋人たちの汀』は論理が良いです。

ネット書評見るまで気づきませんでしたが、題名がタロットになってるんですね。

今回、主人公が「死神」、短編が「運命」「皇帝」「恋人」「吊られた男」が出たので、まだ続きがありそうです。

 

ロスジェネの逆襲

半沢直樹シリーズ第3作、『ロスジェネの逆襲』。

ずっと積んでましたが読み切ってみました。

 

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

 

 

相変わらず勧善懲悪の、現代の水戸黄門という感じです。

そのスッキリした「悪は滅びる」構図が良いわけですが。

最大の問題の解決のつき方がちょっと安直すぎる気はしましたが、まあそこは。

現実のスッキリしないあの問題やこの問題(桜を見る…とか)も、こんな感じで解決できたら、とは思いますね。

 

いたがきのミカン

仙台の老舗フルーツショップ「いたがき」。

駅近くの店舗は割とオシャレな感じっぽいですが、飲み会帰りに寄りやすい場所にある東一番丁店(国分町近くのアーケード)だけは、何か昭和風というかワイルドな感じのたたずまいです。

 

でも別格に美味しい。

コンビニでたまに売っているミカンも(いたがきまで買いに行く暇がない時は)一応食べますが、さすがきちんとした青果物店という感じで、この季節のいたがきのミカンは素晴らしいです。