みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

シェンムー 1章 横須賀

ドリームキャストで遊んでみたかった3本のうち最後の1本、1999年のゲーム『シェンムー 1章 横須賀』。

 

いや、PS4でも遊べるじゃん!というツッコミはあるかと思いますが、PS4のはリマスターなので(そもそもPS4未だに持ってないですが)、素の、まだセガがゲーム業界の覇権を夢見ていたころの『シェンムー』が遊んでみたかったわけです。

 

どういうゲームかというと、昭和の横須賀の下町という限定はありますが、「どこでも行けて、何でもできるゲーム」(オープンワールド)にかなり近いものがあります。アメリカの大ヒット作『GTA3』に影響を与えたという逸話は有名。

 

 

セガが、AM2研(90年代後半の大ヒット作『バーチャファイター』で名を上げた)と、それを率いるカリスマだった鈴木裕氏に社運をかけて、総製作費70億という巨額の開発費で売り出した本作は…。

セールス的には1章は50万本売れたものの、プレイステーションの『ファイナルファンタジーⅧ』の370万本や『ドラゴンクエストⅦ』の400万本には遠く及ばなかったみたいですね。『シェンムー2』は15万本とあまり売れず、そのままシリーズが中断してしまい、総製作費70億なので大赤字。

 

まあ、何となくわかりますね。

AM2研ならではの格闘アクションが一番の売りのはずなのに、序盤はなかなか戦えない。街の人々と会話して情報を集めて…という、何かほのぼのとした地味な作業が続きます。バシバシ戦いたいからこのゲーム買ったのに、という当時のゲーマーの怨嗟の声が聞こえてきそうです。

 

あと、素材は良いのに組み合わせ方(特にストーリー)が練りこみ不足な気がする(偉そうですが)。

小さな公園の、植栽まで一つ一つ作りこんだ最高レベルの作りこみの中で、最初にやるのは捨て猫へのエサやりで近所の子どもと交流を深めるというベタな(昭和の漫画によくありそうな)イベント。

それが終わったら、道に迷ったおばあさんを助けるために近隣の家々の表札をチェックして回るイベント。

 

…この辺は、もともと格闘は得意だけどRPGのノウハウがそれほどないAM2研がメインだったことがちょっと影響してる気がします。せっかくセガサターン時代に『グランディア』のような名作を生み出したゲームアーツとかがあったわけなので、いくら鈴木裕氏がカリスマだとしても、AM2研に全部リソースをぶっ込むんじゃなくて、外注で調整してもらったほうが良かったんじゃないかなと思いますけどね。

 

いろいろ言いましたが、始めたばっかりなのでこれから良くなるのかもしれません。

街並みは精巧に作りこまれているので、いろいろ見て回るのは楽しいです。

公園の木々、店先のコンクリートのような目立つ部分だけでなく、少し苔むした民家の塀、古びたアパートのトタンの汚れまで(無駄に)細かく作りこんであるのは素直に感動します。