西村京太郎先生のトラベルミステリー『オホーツク殺人ルート』。
1987年の作品です。
最初から事件の犯人がある程度わかっていて、十津川刑事が真相を突き止めるプロセスを追体験する形式です。
島田荘司先生の吉敷竹史シリーズと比べると謎がシンプルなので、そんなに驚きはなかったかな。
あと北海道の地図と時刻表がわからないとイマイチ楽しめない(こういうのを電子書籍化するときに、登場人物一覧と地図、必要な場合は時刻表だけは常時参照できるようなシステムがほしいですね)。
要所要所に「今どきの女子大生は」「今どきの女子大生なら有り得る」みたいな記述が見えるのですが、当時の女子大生ってどんな理解だったんだという感じですね(笑)。
でも少なくとも冒頭の「お金を渡すから指定した期日に指定したルートで北海道の観光名所を回り、風景だけを映した写真を撮影してきて」なんていう怪しげなアルバイトを受ける女子大生は現実にはいなかったんじゃないのと思いますが。
まあ、その辺は昭和らしいステレオタイプというやつですかね。