ファミコン版『ドラゴンクエストⅢ』の(社会人になってからの)3周目を遊んでます。
これもまた無心になるには良い。
(以下、『ドラゴンクエストⅪ』等のネタバレあり)
2017年の『ドラゴンクエストⅪ』は良いゲームだけど過去作の遺産に頼り過ぎ、と書いたことがありましたが、『ドラゴンクエストⅢ』を遊んでると特にそう感じますね。
『ドラゴンクエストⅪ』のラストシーンが『ドラゴンクエストⅢ』に繋がるっていうオチだったんですが、これは個人的にはやらないでほしかったですね。
何故かと言えば、まずはシリーズで三番煎じだからです。
ドラクエⅢでは感動したけど、ドラクエⅥでまたそれをやって(途中から大体のプレイヤーが読めてたと思いますが)、それでまたドラクエⅪはドラクエⅢの過去でした~とやられても、さすがに盛り上がれないというか。
そもそも『ドラゴンクエストⅢ』が特殊だったのは、シリーズで唯一、現実の世界地図をベースにしているところですね。
スタートのアリアハン大陸だけは実在しませんが、ゲーム前半だけでもロマリア(イタリア)、ノアニール(ノルウェー)、ポルトガ(ポルトガル)、アッサラーム(アラブ)、イシス(エジプト)、バハラタ(インド)、ダーマ(チベット)という感じで、現実世界とリンクした町が広がっている。
そして待望の「ジパング」。専用BGMや町人グラフィックまで作りこまれて、当時「すげー」となりました。
あと、随所に見られるお遊び的なイベントも面白かった。
これ、1988年当時の「ガイジン」(今では避けられる呼び方ですが)に対する日本人の感覚を実にうまく喜劇調に表しているんですよ。
いま40代以上の人じゃないと共有できない感覚かもしれませんが、「オレたちひょうきん族」とかのバラエティ番組のコントでも「ガイジン」と言えば「アナタハ、カミヲ、シンジマスカ?」とか、それこそ「オー、アナタトモダチ、ワタシトモダチネー」みたいな怪しいカタコトのキャラっていう役どころで使われることが多かったので。
小学校でもそんな感じで真似してふざけてたりしました。こういうのが一つ一つ面白かった。逆に、子どもでは意味が分からなくて親に聴かないと分からないネタもあったりして、そういうのも良い思い出です。
こんな感じで『ドラゴンクエストⅢ』のファミコン版は、全てにおいて当時の最高水準のゲームというだけではなくて、大げさに言えば、こういったお遊び要素も含めて当時の雰囲気を凝縮したゲームだったからこそインパクトを残したと思うのです。
それで、翻って『ドラゴンクエストⅪ』ですが、普通に良い作品ではあります。
良い作品ですが、目新しさはほとんどなかったし、ゲームの世界それ自体で完結するファンタジー作品でした。
そんな『ドラゴンクエストⅪ』の世界が『ドラゴンクエストⅢ』の世界の過去編だったと言われても、世界観のセンスが違い過ぎて、文字通りとってつけたような印象を与える演出としか映りませんでした。
なので『ドラゴンクエストⅪ』の結末は私はあんまり好きではないです(時を戻すという展開は、まさに「蛇足」だったのでは…と思います)。
後半はほぼ『ドラゴンクエストⅪ』批判になってしまいましたが、『ドラゴンクエストⅢ』は偉大だったということで。