みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

マンスフィールド・パーク

英国の作家、ジェイン・オースティン(1775~1817)の1814年の作品『マンスフィールド・パーク』。

本編部分だけですが何とか読破しました(劇中劇『恋人たちの誓い』は未了)。

いや長かった。

特に上巻は、何だかすごく淡々としてて、購入を後悔するほど退屈に感じてしまったのですが(そのせいで2、3年は積んでました)、登場人物の個性が頭に入ってくると、ようやく少し面白くなってきて、下巻のラスト付近は一気に読み切りました。

 

 

 

 

世評そのままですが、心理描写がとにかく細かい。

1814年だから210年前ですね。夏目漱石の『こころ』が1914年なので、ちょうどその百年前です。それで、この現代の小説にもないような細かさはすごい。

時代的にはフランス革命後だったりして激動の時代なのですが、その政治的なところには一切踏み込まず(これはフランスみたいな革命からは遠かった英国ゆえなのか、当時の女性は政治に踏み込まないという思想ゆえだったのかわかりませんが)、恋愛模様や家族の姿が描かれるホームドラマ的な色彩が強い。NHKの朝ドラ的な感じかも。

結末がちょっと教訓じみているというか勧善懲悪というか、素朴で敬虔な者が救われ、そうでない者、策を弄する者は相応の結末になる…というところがあるのがちょっと気になりましたけど、時代が時代なので仕方ないのかな。