みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

その孤島の名は、虚

昨年に文庫化された、古野まほろ『その孤島の名は、虚』。

ちょっと気になっていたのでKIndleで読んでみました。

吹奏楽部に所属する女子高生達がいきなり、どこだかわからない孤島に飛ばされるというトンデモ展開から始まる、異世界SFファンタジー+ミステリです。

 

その孤島の名は、虚 (角川文庫)

その孤島の名は、虚 (角川文庫)

 

 

表紙の右側、クラリネットを持ってるのが主人公の友梨で、左でトランペットを持ってるのが副主人公の響子かな(自信なし)。

 

全部読み通してみて、推理要素はかなり薄めです。ヒントはあるし、漠然とした「?」はあるけど、膨大なテキストの中で気づくはずもない。

ただ、作品としてはなかなか面白かったです。推理は薄いけど、どっちかというとサバイバル冒険小説ですね。けっこうエグい人間関係や描写もあるので、そんな爽やかではないんですが、結局、誰が最後に笑うんだろう?というのがすごく気になって、文字通りの長編ではありましたが、どんどん読み進めてしまいました。

いろいろと超展開はありますが、読後感も悪くはない。

古野まほろ先生は文体からも伝わる通りにかなりエキセントリックな人なんだろうし、学歴差別炎上事件とかもあったのでいろいろ言われてますが、何だかんだ「先が気になる」と思わせるあたりはさすがです。

ドロドロしたところもあるSFファンタジーとして読めば、かなり面白いと思います。