森博嗣のVシリーズ(瀬在丸紅子シリーズ)第8作『捩れ屋敷の利鈍』。
2002年に初版本を買って以来…20年近くずっと積んでましたね。
Vシリーズはこれと前作の『六人の超音波科学者』でかなり止まってたので、この自粛期間(最近「自粛」って言わないですね。大事なことだと思いますが)に読んでみようと思い、20年ものを読んでみました。
トリック的にはイマイチだったかなー…。
捩れ屋敷って構造をそこまで活かせてない、というか、そもそも論で、ものすごく複雑な構造の建築物を作品に登場させるなら構造図は必須なのにそれがない。
ただ、清冽なカバーデザインは相変わらず素晴らしいです。
S&MシリーズとⅤシリーズのノベルス版のカバーデザインはそれだけのためにお金を出す意味があると思うくらい。
探偵役(?)の保呂草潤平のピカレスク度はさらに上がってますね。
Ⅴシリーズの保呂草 対 S&Mシリーズの西之園 という、準・天才(作中一番の天才はそれぞれ瀬在丸と犀川なので)同士の対決ムードを、今回は意外なキャラが中和してくれています。変人キャラなのに一番常識人ぽく見える。