『屍人荘の殺人』の今村昌弘先生による2023年の新作『でぃすぺる』。
紹介文にあるように、本格ミステリとオカルトとジュヴナイルの合わせ技。
本格ミステリを期待すると…?
という部分はありますが、久々に心からドキドキワクワクする読書ができました。
小学6年生が主人公ということで、甘く見てましたが、最初からホラーを押し出した『屍人荘の殺人』よりもずっと怖い。大人でもゾッとするような展開が多い。
何かあっても主人公達には身を守る術が乏しいというスリルが余計に引き立てています。
無邪気な時代の終わり、というジュヴナイル要素もしっかりと描かれています。シリーズ化は難しいかもしれないにしても、こういう作風、続けてほしいですね。