今更ながらSFC版ドラゴンクエストⅥをもう一回遊んでみてます(Ⅺもまだ完全クリアはしてないわけですが…)。
ドラゴンクエスト6―幻の大地 公式ガイドブック〈上巻〉世界編 (ドラゴンクエスト公式ガイドブックシリーズ)
- 出版社/メーカー: エニックス
- 発売日: 1996/03
- メディア: 単行本
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(ソフトの映像がなかったので攻略本上巻)
前回記事
ブラウン管テレビでしか遊んだことなかったけど、今の液晶テレビで遊んでみると画質が良くて、ドット絵の細かいこだわりとかわかるんですね。
ドラクエはⅤがピーク、Ⅵは不人気でドラクエ黄金時代の終わりというのが私のずっと前からの意見ですが、改めてSFC版やってみて、いろいろ思うことは有ります。
序盤のゲームバランスはけっこう辛口で良い。最近のゲームと比べるとですが。
意外と、ライフコッドの村からシェーナの街(リメイクでマルシェの街に改変されてしまいましたが)に降りていく山道ですらけっこう難しい。レトロゲーマーには適度な手ごたえですが。
ドラクエⅥは、ドット絵(完全2Dで立体表現がない)式の、旧世代のRPGとしては一つの到達点だと思うわけです。
2017年発売、3DS版の「ドラクエⅪ」にも2Dモードでドット絵がありますが、あれは「何とか旧時代風にアレンジしてみました」というレベルの、しかもオプション要素としてのドット絵です。
そもそもドット絵のためのドット絵、RPGは基本それだけでしか勝負しないということをやってきたドラクエⅥとはフィールドデザインのレベルが違います。
ドラクエⅥが木や草むらや装飾の配置まで、一つ一つ考え抜かれているのに対して、ドラクエⅪは3Dで見せるべきところを2Dに変換しているだけなので、「懐かしの…」と言われても、何か違う感が漂うのです。
でも、当時は当時でどう見えていたか。
ゲームの歴史として、この1995年という年代は既にポリゴンによる立体表現、その他アニメ表現、実写表現など、にまで移行しつつある時代でした。1994年からそういう流れがあったけど、よりその流れが強まっている時代ですね。
その一例がプレイステーション(PS)の発売と同時に発売された「リッジレーサー」。
PS版リッジレーサーは、ドラクエⅥ(1995年12月発売)の、ちょうど1年ほど前、1994年12月の発売でした。
アーケード(ゲームセンター)ならともかく、これを家庭で遊べてしまうということの衝撃ですね。
たしかにドラクエⅥは、何だかんだでゲームとしての完成度は高い。グラフィックや音楽も「スーパーファミコンとしては」最高クラスでした。
でも、人々はその1年前にこのポリゴンによる見事な3D表現のグラフィック、音楽やエフェクトサウンドも見て聴いてしまっている。
リッジレーサーはノリノリのDJのようなアナウンス音声が入ってますが、音声合成も非常に容量を食うところらしく、スーパーファミコンでは音声合成はわずかしか使えませんでした。
ドラクエⅤの頃は、スーパーファミコンはファミコンの後を継いで軌道に乗り、敵なしの時代でした。
これに対してドラクエⅥは、目を引く新技術によるソフトが沢山出てきてゲーム業界がプレイステーションやセガサターン中心に群雄割拠になりつつあった時代のソフトなのです。
だからドラクエⅥを遊んでても「リッジレーサーとか、ああいうのを遊んでみたい」という気持ちがどっかにあったかもしれない(とはいえ、中学生くらいではそんなに易々と新しいゲーム機は買ってもらえないのですが)。
それだけにドラクエⅥは悪いソフトではないけど、そんなに人々の印象に残らなかったと思うわけです。
ドラクエⅤのヒロインがビアンカかフローラかっていうのは今でも通用するネタですが、Ⅵにはそういうのはないですからね(テリーかドランゴかなんてのはゲーマーネタでしかないので…)。
だからドラゴンクエストⅥは、それ自体ではそんな印象的なソフトではない。
でもドラクエⅥが出た頃の時代は間違いなく、「この先のゲームはどんなものを見せてくれるんだろう」というワクワク感があったし、改めてSFC版を遊んでみて思い出すのは、当時のゲーム業界が持っていたそのワクワク感のほうです。その意味ではドラゴンクエストⅥのSFC版をもう一度遊びなおしてみると感慨深いところはありますね。