みちのく砂丘Ⅱ

仕事とあまり関係ないことについて書きます。

史記英雄伝 その1

1995年のスーパーファミコン用ソフト『史記英雄伝』、内容はタイトル通り(?)春秋戦国時代を舞台にしたRPGです。

 

このゲームの欠点は最初になぜか三連続のパズルイベントがあって、その敷居が異常に高いことです。

4色の石を並べ直すパズルが難しすぎる…ということですっかり積んでいたのですが、攻略サイト様の情報(こんなマイナーゲームでも丁寧な攻略サイトを作ってる方がおられるのは敬服です)をもとにクリアしました。

 

偉大なる先人様の攻略チャート

史記英雄伝〜人竜伝説 攻略チャート

(1つだけ、攻略チャートにあるスタンプ24個目はなぜかもらえなくて、大梁南西の村でイベント前に1つ、イベント後に1つというところが攻略チャートと違ってました。初期ロムと後期ロムによる違いかもしれませんけど)

 

で、最初のパズルを乗り越えてから、いま終盤近くまで来たところですが…。

このゲームかなり面白いです。個人的には。

年末年始休みはずっとこればっかり遊んでました。

 

万人にお薦めできる面白さじゃないんですけど、案外に(失礼)ゲームとしてちゃんと作りこんであります。

『キングダム』『達人伝』のような、春秋戦国時代を舞台にしたコミックも流行った今だからこそ、再評価されてほしい(無理か)。

 

このゲームは世間の評判が低かった(というか悪かった)し、中古価格1000円もしなかったから、ハードル下げて見てしまってるところあるかもしれませんけど。この「基本ダメなゲームだけど豊富な見どころがある」的な感覚は、かつてハマった「HOSHIGAMI」(プレイステーション版)に似てるかもしれない。

 

まず、真面目そうなタイトルと見た目に反して、けっこうな「バカゲー」(おバカなノリのゲームを総称します。同時にク〇ゲーであることも多いですが良作もあります)です。

上にいきなり「スタンプ」なんていう春秋戦国時代らしからぬ単語が入り込んでますが、このように現代ネタやメタなネタ、コメディっぽいセリフが満載です。

これじゃ史記の世界観が台無しじゃないか(実際に台無しです)、というプレイヤーもおられると思いますが、個人的には重苦しくなくて好きです。

 

 

最序盤、洛陽の街でのひとコマ。のっけからメタなセリフ。

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音楽もなかなか良い。マイナーゲームだけにサントラもないと思いますが、特に3パターンくらいある街の音楽は、これまた「史記」をテーマにしたとは思えないくらいポップで小気味良い音楽ばかりです。

 

ゲームシステムに関しても、古物屋に武器防具などを売却する際に価格交渉を行うことができるのが、小さな工夫ではありますが、他のゲームと差を付けようとする姿勢があって良いです。普通に交渉する分には成立しなくてもデメリットはないですが(再交渉するだけ)、元値の千倍とかのあまり法外な値段をふっかけると、「二度と来ないでくれ」と言われてしばらく出入り禁止になったりもします(笑)。実際に交渉してる感があってなかなか楽しい。

 

ゲーム全体の評価を下げてるのは、おそらくは(特に序盤の)ゲームバランス。

敵を倒しても経験値は入りますが、お金はもらえません。

お金は、敵を倒すとたまにアイテムを落とすので、それを売却して稼ぎます。

しかし、序盤は「薬草」(売れば4金程度)くらいしか手に入らないのに、宿屋は何と20金。つまり序盤は武器防具の購入なんて夢のまた夢で、回復すらもろくにできません。

敵と戦って全滅したらセーブ地点からやり直しなので(つまりそれまでに稼いだ経験値は無効)、序盤は街を出て1戦して、運よく良い勝ち方(あまりダメージを食らわない勝ち方)ができた場合のみ戻ってセーブ、というファミコン時代のRPGみたいな鍛え方が要求されます。

ようやっと次の地方に進むといきなり敵が強くなってしまって、勝率が平均20%くらいになってしまいます。また敵のレベルのほうが高い時は戦闘から逃走できませんので、この辺で投げるプレイヤーも多いはず。

 

ただ、このゲームが面白くなるのはここからです(たぶん)。

敵が、たまにかなり高価なアイテムを落とすんですよね。

動物系の敵から獲得できるアイテムはあまり高値がつかないことが多いのですが、春秋戦国時代らしく、絹とか金属がかなりの貴重品のようで(このゲームで「鉄」は高級品です。他の多くのRPGでは中位以下の扱いですが)、兵士系の敵を倒した時にたまに獲得できる「絹の服」や「銅の槍」は、もし入手できれば、先ほど書いた古物屋で交渉して、かなりの高値で売れます。

弱い敵をコツコツ狩ってお金を稼ぐのではなくて、思い切って敵兵士に挑んでみて(全体的に敵兵士は強いです)、彼らがたまに落とす高価な品を交渉で売りつけて一攫千金。これで余裕をもって宿屋を利用することもできる。武器防具もお金に糸目を付けずに購入できるようになる。だんだんと軌道に乗ってくる感があって、これが案外に楽しい。

これ、本質的には略奪することの楽しさなわけで、やっていることはゲームタイトルにある「英雄」というより「野盗」のそれなわけですが。

でも、虎穴に入らずんば虎子を得ず、文字通りのハイリスクハイリターンを楽しめるのは、やたら甘口なだけのゲームよりもはるかに良いと思います。