1999年の、第10回メフィスト賞(講談社の推理小説新人賞)受賞作。
しかし、どう見ても、読み終わっても推理小説ではないです。
見た目は普通、しかし最強の極真空手の使い手である高校生が、暴力が日常化した神戸の高校を舞台に悪党どもを成敗していく話です。
王道というかベタな展開の連続。
神戸が舞台ですが、なるほど、セングラに神戸が登場しない理由(違う)。
最初から最強で、エスケープ系の主人公がやむを得ず学校を支配する連中を倒していくというあたりが、今でいう「なろう系」ラノベに近いのかな。
終盤はもう格闘ファンタジーと化してますが清々しいくらいに最強は最強というのを突き通してます。
オチだけはちょっとスッキリしませんけどね。
推理小説ではなくほぼ純度100%の格闘小説ですが、何となく最後まで読ませる迫力と文章力がある。
メフィスト賞は「読んで面白いこと」が条件らしいので、こういうのもあるから面白かったですね。