(ファンの方にはすみません、批判的な記事です)
『鵺の碑』、読み切りました。
まあ、悪いとは言わないんですけど、長い。
長さも登場人物も3分の1くらいでちょうど良いくらいです。名物、小箱のようなサイズのノベルス本で展開する必要はなかったかなと。
必然的に長くなる内容ならいいのです。
このオチを見るためにはこの長さは仕方ない、的な長さであれば納得するのです。
でも、この仕掛けならこんなに長くなくてもいいよね、と、思ってしまった。
カーター・ディクスンなど、程よいサイズに収まった古典的推理小説を同時期に読んだせいか、冗長さが目立つように感じました。
前にも書きましたが、過去作品がだいたい20年以上前なので、過去作品の因縁なんか普通いちいち覚えてないなかで過去作品の因縁の相手を絡めて展開されても誰が誰だかわかりません。
それでも我慢して読んできて、このオチかあ、と思ってしまいました。
なんだか、初期の震え上がるようなおどろおどろしさもないし、結局は各組が遠足して終わったような。ぜんぜん怖くないし肩透かし感もある。
まあ、大学生だった私が京極堂シリーズを、当時のアパートで、あるいは帰省した際のコタツで、ドキドキワクワクしながら読んでたのがだいたい25年以上は前なので、私が年取ったのかなあ、とも思います。
総評としては、長い割にイマイチ。
次回作に期待ですが、本作の終わり方からするに、もしかしたらこれがシリーズ最終作品なのかな?とも思いました。
散々に言いましたが、これがラストなら、その意味では悪くないと思います。