姉小路祐先生は、今ではちょっとマイナーかもしれませんが(失礼)、90年代後半からゼロ年代前半の、新本格ミステリが花盛りの時代にはけっこう作品出してましたね。
この『化野学園の犯罪』は2002年に原作のノベルス版が発売されてます。
当時は何やかや忙しくて購入は見送ったんですけど、最近思い出して、懐かしいなということで電子書籍で購入してみました。
前半は、何か『坊ちゃん』みたいな、生徒を人間扱いしない管理教育に青臭い理念で反抗する教育実習生の物語という感じでやや平板かつ「ベタだな」という感じなのですが、中盤以降は展開が速くなります。
事前の評判がそんなに高くないので期待はしてなかったんですが、結果的には、案外面白かった。
終盤、何となく予感はしてたけれども、しかし「これどうやってオチつけるの?」と思ってしまうくらい、どんどん二転三転して行くのが良かったです。
シリーズ化はしてないみたいですが、学園ものが好きなら読んでも損はしないかなと。
(読んだ方限定の追記)
著者は、当時は現役の高校教師だったらしいですね。
たぶん、本編に登場する、現実にくたびれて情熱も失っている教師「細谷」が著者の化身なのかなと思います。