1998年のベストセラーにして直木賞受賞作。
大学時代は、何か難しそうだなと思って、読まなかったですね。
法学部生のくせに、難しいのは嫌いだった。
その後もちょっと読もうとして序盤で挫折したような。
当時はやっぱり森博嗣とか京極夏彦みたいな、いかにも、な推理小説が好きで、こういう社会派の推理小説はあまり読まなかったからなー…。
20年以上経って、そろそろ地味目で難しい展開にも耐えうるおっさんになったので、ようやく読破しました。
いやー、面白かったです。
早く読んでおけば良かった…ではないですけどね。
このトシでようやく、登場人物(特に中年)のペーソスがわかるようになってきたので、その意味ではちょうど良かったのかもしれない。
それにしても読ませ方、展開が上手いなあ…と思いました。
下手なホラー小説よりよほど怖いんですよね。
特に真犯人の描写は、同作者の『模倣犯』より、地味だけど怖いです。
さすがベストセラー作家、才能が違いすぎる…と思いました。