みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

ドラゴンクエスト4コママンガ劇場

前にドラクエⅥの記事で書きましたが、「ドラゴンクエスト4コママンガ劇場」は偉大でしたね。

私も第3巻か第4巻くらいまで(全盛期ですね)は読んでました。

今じゃできないネタも多そうだけど。

特に「ドラゴンクエストⅣ」との相性が抜群でした。

 

 

「ドラゴンクエストⅣ」自体が全体的に賑やかで明るい雰囲気のゲームだし(重苦しいのは第4章のアッテムト鉱山と第5章の始まりくらいですかね)、何より登場キャラクターの個性の配分が良かった。

 

大体こんな感じの性格付けで書かれてましたよね。

 

ライアン(第1章) ‐ 武骨、忠義、寡黙、ござる口調で武士っぽい

 

アリーナ(第2章) ‐ 元気、天真爛漫、超腕力、姫様

クリフト(第2章) ‐ インテリ、オタク、姫様好き過ぎ、おとなしい若者

ブライ (第2章) ‐ 厳格、誇り高い、割と口うるさい、お爺さん

 

トルネコ(第3章) ‐ 鷹揚、太っちょ、戦いは苦手、おっさん

 

マーニャ(第4章) ‐ 全てにルーズ、お色気、勉強嫌い、ギャル気質

ミネア (第4章) ‐ しっかり者、ダメ姉のお守り役、やや根暗、ミステリアス

 

勇者  (第5章) ‐ 漫画家によって異なる

(主人公=プレイヤーの分身なので、基本は常識人でツッコミ役に回ることが多いが、柴田亜美の4コマ漫画などではボケ役に回ることが多い)

 

 

この個性が、ドラクエの全作品を通して見ても黄金比という感じがします。

不要なキャラがいないし、どのキャラとどのキャラとを組み合わせてもネタが成り立つので。

こうやって多数のキャラに個性と性格を配分する手法はRPGだけではなくて、別ジャンルのゲームにも継承されてる気がします(マーニャとミネアのように性格が真逆の双子キャラってときメモ2とかにもいましたね)。

 

さらにすごいのが、「4コママンガ劇場」を分担して担当している作家さん達が、多少の差はあれ第4章までのキャラに関してはほぼ統一された性格付けで書いており、それもあって逆に後年のリメイク版のキャラ付けが「4コマ漫画劇場」寄りになったことです。

例えばマーニャはますます放埓に、ミネアは暗いところが好きなミステリアス系になり、クリフトはアリーナ姫のことが好き過ぎてちょっと危ない妄想キャラになってたりします。

 

その後の作品ではゲーム内セリフが増えて(スーパーファミコン移行による大容量化、そしてライバルであるFFシリーズの影響もあったか)、4コママンガ劇場で「解釈」する余地は少なかったように思います。

ドラクエⅤはゲームシステム上人間の仲間が少なめだったので(しかも物語後半のネタバレができないとなるとパーティーメンバーの組み合わせバリエーションは大幅に減る)、仕方ないかもしれない。

そして、ドラクエⅥはⅣほどには奇麗にキャラ付けできなかったですね。チャモロはクリフトと同じく神官キャラですが、クリフトみたいな頼りなさ、弱々しさがなく真面目一辺倒以外のキャラ付けができませんでした、パーティーにいわゆるボケ役が不在でしたね。無理にボケ役を作るとすればハッサンくらいかなあ。でもハッサンは実際上も圧倒的主力なのでボケ役が必ずしも似合わないかもしれない。

ドラクエⅦは、もうゲーム内で充分会話してるので(マリベルが一番好きですが)、今さら4コママンガ劇場でスピンオフしても何も面白くないということなのか、その時はもう「4コママンガ劇場」自体がなかったような。

そう考えると、「ドラゴンクエストⅣ」だったからこそ成功したスピンオフだったと思います。