英国の長閑な村で起こった殺人事件の謎をミス・マープルが解き明かす。
ミス・マープルはエルキュール・ポアロと並ぶクリスティ小説の名探偵。見た目は普通のおばあさんですが洞察力や推理力が超一級です。
個人的には、この創元推理文庫版がおススメです。
実は最初は、ハヤカワ・ミステリ版を買ったのです。こっちのほうが表紙絵が公式だったりで、Amazon評価も高いのですが。
ただ、この『牧師館の殺人』に関する限りは創元推理文庫版のほうが良いと思います。あくまで個人の感想ですが、和訳が、創元推理文庫版のほうが懇切でわかりやすい。
ハヤカワ・ミステリ版のほうは、和訳が、ある意味ではこなれているのかもしれないけど、全体的にふわっとした和訳で主語述語がしっかりしておらず体言止めなんかもあるので、会話シーンの各セリフを誰が話しているのか、とかが分かりづらい。
ハヤカワ・ミステリ版を途中まで読んでみて、あまりの分かりづらさに積んでしまったのですが、創元推理文庫版はスラスラと最後まで面白く読むことができました。
合う合わないはあると思いますけど、改めて、翻訳って訳者の個性や技量が出るものなんだなと思いました。