みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

柩の花嫁 聖なる血の城

90年代に活躍した推理小説作家、黒崎緑先生の『柩の花嫁 聖なる血の城』。

1993年の作品で、舞台はフランスですが登場人物はほぼ全員日本人(旅行者)です。

 

実は黒崎緑先生の作品は読んだこともなく初見。

私が推理小説にハマり始めたのは90年代後半でしたが、そのころには本屋にこの本はあまり置いてなかったように思います。

 

 

読み終えてみて、いや、なかなか面白かったです。マイナーだからあまり期待してなかったですけど(失礼)、後半は一気に読み終えてしまった。

最初は登場人物が多くてちょっと把握するのがかったるいですが、間もなく、サスペンス系少女漫画っぽいというか、バブル時代の昼ドラにありそうな風味のドロドロした愛憎劇が始まります。

女性作家の描き方の特徴が出ているというか、展開の変化のつけ方が男性作家とは少し異質な気がして、それが先の読めなさに繋がってる気はします。

トリックは、ちょっと現実的には無理があるような気がしなくもないですが、まあでも司凍〇先生と比べたら十分納得がいくレベルです。推理小説のトリックに何より必要な意外性とわかりやすさはしっかりしてますし(司〇季先生の小説のトリックも意外性とわかりやすさはあるのですが、そちらは先に「いや再現が無理でしょ」となります)。

シリーズ続編が出てないのが残念ですねー…。