みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

海の図

灰谷健次郎『海の図』。

1988年の小説です。

 

これ未読だけど覚えてたのが、私が中学校時代くらいだったかの時に、母が買ってきて私に与えたからですね。

基本、特に中学校時代以降は読むものは自分で決める派だったので、親から薦められた本は読まない…というよりも、そもそも母が本を薦めてくること自体がレアだったので、よく覚えてます。

中学校時代以降だと、北杜夫『船乗りクプクプの冒険』と、灰谷健次郎『海の図』くらいじゃなかったかなあ。どっちもそんなには読まなかったんですけど。

 

そんな前置きで、実際、当時は読まなかったんですが、30年以上経過してふと、この小説のことを思い出したので、取り寄せて読んでみました(電子書籍版もあります)。

 

 

読んでみて、なんだろう、この「朝の連ドラ」っぽさは…と思ったら、新聞連載小説だったんですね。

主な舞台は田舎の港町の高校ですが、時代をある意味反映して、営利重視の環境破壊に警鐘を鳴らし、人間の本来の在り方を説くような物語です。今読むとちょっと説教っぽいという気もするかも(というか、確実に説教っぽいですね)。

 

当時ちょっと「将来は教師になろうかな」と考えてた私に、教師という生き方の甘くなさを間接的に教示するつもりでこの本だったのか、あるいは、主人公が今でいう不登校なのですが(当時は「登校拒否」という言い方のほうが一般的だった気もします)、ちょっと前まで不登校Youtuberしてたゆたぼんのように(ゆたぼんは普通に戻りましたがー親の影響が強すぎてああなってたと思うので良い変化だと思います)、何かこう理念があって不登校してる主人公なので、学校がきつけりゃ行かなくてもいいんだよということを暗に言いたかったのか、当時の母の意図は謎のままですが(たぶん自分でもこの本を薦めたことは忘れていると思うので)、まあ、30年以上前に読まなかった本を今読めたので、良かったです。