みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

小説・ミステリ

夏と冬の奏鳴曲 新装改訂版

まさかの新装改訂版が昨年売り出されていたので驚きました。 夏と冬の奏鳴曲 新装改訂版 (講談社文庫) 作者:麻耶雄嵩 講談社 Amazon ある意味では伝説的作品ですが、90年代だから許される何かだったのであって、今だとバカミスの上に後味悪いってことになり…

指差す標識の事例(上)

昨年来ずっと積んでましたがようやく読み始めました、イーアン・ペアーズ『指差す標識の事例』。 17世紀、清教徒革命後の英国オックスフォードを舞台にしたミステリ小説です。 指差す標識の事例 上 (創元推理文庫) 作者:イーアン・ペアーズ 東京創元社 Amazo…

オホーツク殺人ルート

西村京太郎先生のトラベルミステリー『オホーツク殺人ルート』。 1987年の作品です。 最初から事件の犯人がある程度わかっていて、十津川刑事が真相を突き止めるプロセスを追体験する形式です。 オホーツク殺人ルート (講談社文庫) 作者:西村京太郎 講談社 A…

フロスト始末

フロスト警部シリーズ第6作『フロスト始末』読破しました。 第6作を書き上げた後に原作者R・D・ウィングフィールド氏が逝去されたので、これが最終作品です。 フロスト始末〈上〉 (創元推理文庫) 作者:R・D・ウィングフィールド 東京創元社 Amazon 終盤、…

奇想、天を動かす

島田荘司先生の吉敷竹史シリーズは、「はやぶさ」「出雲伝説」「夕鶴」の後も、ややマンネリ化しながら(失礼)続いていっているようです。 マンネリとか言うとおそろしく失礼なんですが、実際、第4作に当たる「高山殺人行1/2の女」は実はあまり評判が芳し…

寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁

三部作の中では最後の記事になりますが、島田荘司先生の、刑事「吉敷竹史」シリーズの第1作『寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁』。 寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁 吉敷竹史シリーズ (文春e-Books) 作者:島田 荘司 文藝春秋 Amazon 何故第1作なのに最後…

北の夕鶴2/3の殺人

島田荘司先生の刑事「吉敷竹史」シリーズ第3作『北の夕鶴2/3の殺人』。 今回の主な舞台は北海道です。 北の夕鶴2/3の殺人 吉敷竹史シリーズ (文春e-Books) 作者:島田 荘司 文藝春秋 Amazon 今回も旅情あふれる警察小説風鉄道ミステリ…ではなく! 警察小説要…

出雲伝説7/8の殺人

他の人と比べてそんなに忙しいってわけではないんだろうと思いつつも、先々週と先週は、土日の休みがあんまりない上に日付変わる近くまで残ることが多くて、文字通り仕事漬けというか割と燃え尽き気味でした。 普通だと日曜の夜は割と気合入ってるのですが、…

クビシメロマンチスト(再々読)

何度目か分かりませんが再読しました、西尾維新の2002年の作品『クビシメロマンチスト』。何年かおきに読んでますが、最近また読みたくなった。 もう4、5回は読んでるので、オチだけでなく展開も伏線もほぼ全部覚えてるのですが、それでも読み返したくなる…

宿命と真実の炎

貫井徳郎先生の西條輝司(こうじ)シリーズ第2作、『宿命と真実の炎』。 実は、第1作『後悔と真実の色』はまだ読んでないのですが、以前にkindleでセールやってたのでとりあえず買ってみて積んでいたのでした。 宿命と真実の炎 (幻冬舎文庫) 作者:貫井徳郎…

たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

2020年の各社ミステリランキングで1位だった、辻真先『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』、遅ればせながら読んでみました。 たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説 作者:辻 真先 東京創元社 Amazon 推理部分は割と薄味だった気がする。 推理小…

人形式モナリザ

瀬在丸紅子が主人公のVシリーズ2作目『人形式モナリザ』。 かなり久しぶりに再読しました。 でも、やっぱりこれは、単体作品としては駄作だと思いますね(個人の見解ですが)。 ネット上の評判は意外と高かったりもするんだけど。 人形式モナリザ (講談社…

江神二郎の洞察

単行本は2012年発売だったのですが、なぜか10年近く積んでました。 有栖川有栖の江神二郎シリーズ短編集『江神二郎の洞察』。 有栖川有栖の小説は、有栖川有栖(作家と同名のワトソン役)が学生の時代を描いた江神二郎シリーズと、社会人(作家)になった後…

武家屋敷の殺人

この作家さんのミステリを読むのは『十三回忌』『厄殺のロンド』に続いて三作目です、『武家屋敷の殺人』 そんなにファンってわけじゃないけど何となく。 武家屋敷の殺人 (講談社文庫) 作者:小島正樹 講談社 Amazon まあでもやっぱりー…。イマイチでしたね。…

金田一37歳の事件簿(タワマン編・追記) 

第10巻まで発売されてるので徐々に読んでます。 前回記事からちょっと戻ってタワマン編。 金田一37歳の事件簿(3) (イブニングコミックス) 作者:天樹征丸,さとうふみや 講談社 Amazon 旧シリーズで準レギュラーの刑事役だった剣持警部はさすがに引退。 …

黒猫の三角

このまえ、森博嗣Vシリーズの8作目『捩れ屋敷の利鈍』を読んで、9作目『朽ちる散る落ちる』と10作目『赤緑黒白』をまだ読んでないわけですが、よく考えたら1作目を読んだのが約20年前、6作目を読んだのが17年ほど前、7作目を読んだのが6年前だった…

プラトン学園(ネタバレあり)

(分類としてはミステリー小説ですがネタバレありの記事なので注意!) 主人公は、教育学部の4年生。 実直ですが不器用でボンクラ気味なので一人だけ就職先が決まらなかったところ、日本海に浮かぶ離島にある「プラトン学園」という私立の中高一貫校に就職…

捩れ屋敷の利鈍

森博嗣のVシリーズ(瀬在丸紅子シリーズ)第8作『捩れ屋敷の利鈍』。 2002年に初版本を買って以来…20年近くずっと積んでましたね。 Vシリーズはこれと前作の『六人の超音波科学者』でかなり止まってたので、この自粛期間(最近「自粛」って言わないですね。…

冬のフロスト

全6作のフロスト警部シリーズ、第5作『冬のフロスト』読みました。 相も変わらず3つか4つの事件が絡み合う中でドタバタ推理劇が展開されます。 第1作のネタバレっぽいフレーズも出てきますので、第1作から第4作を読んでいることが必須ですね。 ちょっ…

竹馬男の犯罪

井上雅彦『竹馬男の犯罪』。 けっこう古く、1993年の推理小説です。2007年に復刻されています。 竹馬男の犯罪 綾辻・有栖川 復刊セレクション (講談社ノベルス) 作者:井上 雅彦 発売日: 2007/11/07 メディア: 新書 奇想絢爛(造語です)。 山奥の養老院とい…

その孤島の名は、虚

昨年に文庫化された、古野まほろ『その孤島の名は、虚』。 ちょっと気になっていたのでKIndleで読んでみました。 吹奏楽部に所属する女子高生達がいきなり、どこだかわからない孤島に飛ばされるというトンデモ展開から始まる、異世界SFファンタジー+ミステ…

殺しの双曲線

自宅で休みつつ、kindleでこれを読んでました。 西村京太郎『殺しの双曲線』。 トラベルミステリーで有名な西村京太郎先生ですが、これはトラベルはほぼ関係なく、西村ミステリには珍しい、「吹雪の山荘」ものです。 新装版 殺しの双曲線 (講談社文庫) 作者:…

終着駅殺人事件

西村京太郎の十都川警部シリーズを、さらに読んでみました。 これも名作と言われてます、『終着駅殺人事件』。 終着駅というのは物語の第二の舞台となる青森から東北本線で出てきた時の終着駅、上野駅ですね。 まだ東北新幹線がなくて寝台特急で移動してた時…

天河伝説殺人事件

『天河伝説殺人事件』という1991年の映画です。 内田康夫の浅見光彦シリーズの、たぶん唯一の映画化かな? Amazonで安価でレンタルできました。 天河伝説殺人事件 発売日: 2015/09/21 メディア: Prime Video 当時小学生くらいでしたけど、すごい宣伝されてた…

不連続殺人事件(映画)

昭和レトロなものをもう一作、と思ったので、Amazon映画(レンタル)で見てみました、坂口安吾原作(1947年)、1977年の映画『不連続殺人事件』。 小説版は昔一度チャレンジしようと思ったんですが、登場人物が多すぎて整理できなくなり、諦めました。 Amazo…

寝台特急(ブルートレイン)殺人事件

寒い夜に暖かい部屋で推理小説を読むのも乙なものです。 最近 Kindle でポイント還元キャンペーンやってて、旧作の推理小説がお安く手に入るので読んでみました、1978年の西村京太郎鉄道ミステリー第1作、『寝台特急(ブルートレイン)殺人事件』。 寝台特…

その裁きは死

英国のミステリ作家、アンソニー・ホロヴィッツのホーソーン・シリーズ、第2作『その裁きは死』読みました。 2013年の作品で、2020年9月に邦訳されていました。 その裁きは死 (創元推理文庫) 作者:アンソニー・ホロヴィッツ 発売日: 2020/09/10 メディア: …

medium 霊媒探偵城塚翡翠

前々から本屋で「2019-2020年ベストミステリ」みたいな感じで売り出されてたので気になってはいました。 それで今回、kindleで購入して読んでみたわけですが…。 medium 霊媒探偵城塚翡翠 作者:相沢沙呼 発売日: 2019/09/11 メディア: Kindle版 面白か…

異次元の色彩(宇宙からの色)&ダンウィッチの怪

クトゥルー神話の短編集です。 とりあえず「異次元の色彩(宇宙からの色)」と「ダンウィッチの怪」は読みました。 短いながらも文章の密度が濃いというかボリュームはあるので、またしばらくしたら次も読むかもしれないけど。 インスマスの影―クトゥルー神…

黒祠の島(再読)

かなり前に 一度読みましたが、忘れていたので再読しました。 小野不由美『黒祠の島』。 黒祠の島 (祥伝社文庫) 作者:小野 不由美 発売日: 2004/06/01 メディア: 文庫 前に読んですごくおもしろかった記憶があったんですが、もう一回読み直してもやっぱり面…