みちのく砂丘Ⅱ

仕事と関係ないことについて書きます。

書籍・文学

明暗(夏目漱石)

今いろいろ話題のKADOKAWAですが、『明暗』の装丁のセンスは良いと思います。 (わたせせいぞう氏がカバーデザインの時代はもっと良かったですが) 夏目漱石の最終作品にして未完の大作『明暗』。 明暗 (角川文庫) 作者:夏目 漱石 KADOKAWA Amazon 結末の予…

遠隔講義 消費者法 〈新訂第3版〉2022

河上正二先生(東北大・東大名誉教授)の最近の書籍です。 普段は消費者法なんて全然関係ない仕事をしているのですが、90年代の東北大法学部OBとして購入してみました。 地元の書店には(たぶん)売ってないので通販ですけどね。便利な世の中になったもので…

なぜ倒産 令和・粉飾編

このシリーズ、けっこうファンが多いのか、割と短い間にもう3作目になっています。 日経BPの『なぜ倒産』シリーズ。「しくじり先生」的な感じなんだろうか。 今回は「令和・粉飾編」ということで、けっこう最近のケースが出ています。 ご自身が従前の『なぜ…

超国家主義の論理と心理

たまにはおっさんらしく、見栄張って小難しい記事も書いてみます。 昭和の政治学者、丸山眞男の、1946年の非常に有名な論文(くだけて言えば大ヒット作品)「超国家主義の論理と心理」。 私が持ってるのはこの本じゃなくて平凡社ライブラリー(文庫)の丸山…

草枕(マーガレットコミックス)

冒頭の「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。」というフレーズで有名な夏目漱石『草枕』の漫画版です。 『草枕』は高校時代に頑張って読んでみたのですが、ついぞ意味が分からないままでした。 草枕 (マーガレットコミックスDIGITAL) 作者:夏目漱石,…

弘文堂の法律学講義シリーズ

弘文堂の法律学講義シリーズのカバー装丁はけっこう好きです。 とてもシンプルなデザインで、高校までの参考書とは違うぞという法律書らしい雰囲気と、学生でも読めそうな手に取りやすさを、上手いこと両立させている気がします。 債権総論 (法律学講義シリ…

創文社の電子書籍

創文社っていう出版社は、現在では解散したみたいですね。 文系の学生だった方にはもしかしたら見覚えのある出版社かなと思いますが。 最近知って驚いたのですが、何と創文社の本が「創文社オンデマンド叢書」ということで500冊くらい、電子書籍になっていま…

朱子学

長い連休中に、読まない本も売却等で大体処分しました。 中でも挫折してたのがこの『世界の名著 朱子/王陽明』。 世界の名著 19 朱子/王陽明 (中公バックス) 作者:朱子,王 陽明 中央公論新社 Amazon 古典の漢文も中国思想も結構好きなほうなんで、いけるか…

夜明け前

ゲームばっかりじゃなくて、ちゃんと真面目な読書もしてます(アピール?)。 ただ例によってまだ序盤しか読んでないです。 島崎藤村の『夜明け前』。 文学史では有名ですよね。 第1部の上巻なので、まだ江戸時代で、黒船が日本に来た頃です。 題名の通り、…

死者の書

たまには文学でも読んでみますかということで折口信夫『死者の書』。 文学史とかで名前だけは知っていましたが、どんな内容だかは全然知りませんでした。 死者の書・口ぶえ (岩波文庫) 作者:折口 信夫 岩波書店 Amazon 奈良時代が舞台なんですかね。 まだ途…

ブルガリアの歴史 その2

鈍足な読書スピードですが読み進めてはいます、『ブルガリアの歴史』。 高校の時に東欧史とか全然勉強してなかったですが。 ブルガリアの歴史 (ケンブリッジ版世界各国史) 作者:R.J. クランプトン 創土社 Amazon (書いた後、理解が間違ってたところは直しま…

コロナウイルス禍 その77(相関関係と因果関係)

コロナ減少してますね。 ワクチンの効き目があるせいもあると思いますけど、もう一つ単純な相関関係として、激増してたのはオリンピックの開催時期とその後、なんですよね。 これはどっかの都知事みたいに因果関係のエビデンス(証拠)があるかって言われる…

ブルガリアの歴史

前の記事にも書いたようにお盆はあまり休めていないのですが、悠久の歴史に浸ってリラックスできないかなとか思って、序盤だけ読みました。 けっこう長い間、積んでしまってたので。 ブルガリアの歴史 (ケンブリッジ版世界各国史) 作者:R.J. クランプトン 創…

『金融の世界史』&『歴史学入門』

とりあえずざっと読んでみた『金融の世界史 バブルと戦争と株式市場』。 学術書っぽい題名ですが、株式コンサル的なお仕事の方が書いているので、前半(近代まで)は、どっちかというと、何かのビジネス的な講演会や飲み会とかで知識を披露して得意がるのに…

ハックルベリー・フィンの冒険(上巻)

ジュンク堂仙台店での買い納めは『トム・ソーヤーの冒険』と『ハックルベリー・フィンの冒険』にしました。まあ、専門書とかもありかなと思ったけど、最後にこういう無邪気な冒険譚ってのもいいかなと思ったので。 ハックルベリー・フィンの冒険(上) (光文…

『失敗の本質』&タツノコアニメ「ミッドウェイ海戦」

最近また再読してます、『失敗の本質』。やっぱり読み応えありますね。 いろんな意味で今の日本の状況に似てるような。 失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫) 作者:良一, 戸部,寺本 義也,鎌田 伸一,杉之尾 孝生,村井 友秀,野中 郁次郎 中央公論新社 A…

失われた時を求めて(抄訳版) その3

抄訳版『失われた時を求めて』も、ようやく3/3巻目に差し掛かりました。 実際の長さは文庫本にして全14巻(岩波文庫)なので、大部分が省略されてるはずですが、それでも長いですね。 抄訳版 失われた時を求めて 3 (集英社文庫) 作者:マルセル・プルース…

失われた時を求めて(抄訳版) その2

2年くらい前に抄訳版を読み始めてるみたいなことを書きましたが、まだ抄訳版すら読破できてません。 抄訳版も3分冊なので、つまみ食い的に後の巻から読んだりしています。 抄訳版 失われた時を求めて 2 (集英社文庫) 作者:マルセル・プルースト 発売日: 20…

戦争と平和(トルストイ)

ごくたまには真面目なものでも読むかということで、ちょこっとだけ読み始めてます。 ロシア文学の超有名な古典。 戦争と平和〈2〉 (岩波文庫) 作者:トルストイ 発売日: 2006/02/16 メディア: 文庫 第1巻から読み始めましたけど、プルースト『失われた時を求…

カフカの「城」 その1

寒い冬の夜にはカフカの「城」が合います。 kindleで、青空文庫の無料のもあります。 よく言われるとおり、そんな面白い小説ではない。 でも面白くないからこそ、重厚なものを読む気力がない時でも何となく読めるというか。 ちなみに有料の角川文庫版(下記…

三四郎(マーガレットコミックス)

夏目漱石の前期三部作、最初の作品『三四郎』の文庫化バージョンです。 漫画としては洗練されていて、なかなか読みやすかった。 三四郎 (マーガレットコミックスDIGITAL) 作者:夏目漱石,加藤礼次朗 発売日: 2015/12/01 メディア: Kindle版 ただ、あえて、だ…

行人(夏目漱石)

最初に読んだのが高2の秋ころだったのですが、秋になると、たまにふと読みたくなりますね。 行人 (新潮文庫) 作者:漱石, 夏目 発売日: 1952/03/24 メディア: 文庫 何度か書いてますが、夏目漱石作品の中では一番好きです。 面白いかというと、ストーリー的…

刑法総論講義&刑法各論講義(松宮孝明教授) 

日本学術会議からなぜか外された松宮孝明教授の『刑法総論講義』と『刑法各論講義』、買ってみました。 刑法総論講義 第5版補訂版 作者:松宮 孝明 発売日: 2018/08/13 メディア: 単行本 刑法各論講義 第5版 作者:松宮 孝明 発売日: 2018/08/13 メディア: 単…

銀河英雄伝説・つるピカハゲ丸・虞美人草

銀河英雄伝説は見たことないんですが(ラインハルトとヤンしか知らない)、社会学者の炎上の件は難しいなあと思いました。 炎上させる理由はないとは思うんですよ。 でも、ツィッター見てると社会学者の言い方もちょっと自分の持ってる権威に無頓着すぎる、…

新鮮高等地図

コロナ自粛の中でちょっと懐かしいものを読んでみたくなって、少し前に買ってました。 地理の授業で使われる「地図帳」です。 地理がある日はこれも学校にもっていかないといけなくて大変だった遠い記憶が。 全体的に副読本系は忘れがちでしたね。なくても何…

二・二六事件の幻影 戦後大衆文化とファシズムへの欲望

二・二六事件が「戦後」どう描かれたか、タイトルにもあるように戦後大衆文化、特に映画を中心にして論じた書籍です。 数年前に購入してたんですが、けっこう積んでたのと、読んでみるとけっこう難しいなということでブック〇フに売却してしまったわけですが…

反教育論 猿の思考から超猿の思考へ

法政大学の過去問で部分的に読んでちょっと面白かったので買って読んでみましたが…。 全体を読むと、意外とイマイチでしたね。 反教育論 猿の思考から超猿の思考へ (講談社現代新書) 作者:泉谷 閑示 発売日: 2013/02/15 メディア: 新書 タイトルには「論」っ…

ゼミナール現代日本政治(再読)

この書籍は、2011年の震災から間もない時期の出版でした。 民主党政権の運営に関して、なぜグダグダになっていったのか、感情を交えず冷静に批判的に考察しています。 最近になって再読してみましたが、10年前くらいの日本政治の情勢が、懐かしさ交じりで良…

自由からの逃走

エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』。 コロナウイルス禍の今に響く、貴重な示唆をしている本です。 表紙もキレイだし(関係ない)。 自由からの逃走 新版 作者:エーリッヒ・フロム 発売日: 1952/01/01 メディア: 単行本 フロムがこの本で(たぶん)言い…

スタートライン債権法

私の大学時代にはまだ第2版くらいだった記憶ですが、今年の3月23日、第7版が発売されたようです、『スタートライン債権法』。 いわゆる「実況中継」シリーズのような感じで、平易な語り口調で債権法を解説しています。 スタートライン債権法 第7版 作者:池…